<2019年>

明けましておめでとうございます



 
 
   
 昨年はドナルド・トランプの強引政治が注目を集め、カルロス・ゴーンの豪腕経営による逮捕劇が世間を驚かせました。私も大いに野次馬根性を刺激され、熱心に新聞を読み、テレビを見て、分厚い本も何冊か買いこみましたが、わが身には関係ない他人事ですから、内容はほとんど忘れてしまいました。というのは歳のせいもありますが、昨年は体調不良に陥って入退院を繰り返し、他者のことまでかまっていられない心境だったからです。
 しかし新年早々から病気の話など、お聞きになりたくはないでしょうから話題を変えますが、昨年1年間に購入した本はほぼ137冊でした。そのほとんどは電子本で、一昨年の243冊にくらべて100冊以上も少ないのは入院が多かったせいで、病室ではインターネットが使えず、電子本の購入どころか読むこともできないありさま。せっかく個室に入っていながら、とは思うもののホテルではないのでやむを得ません。
 その代わり、退院後の自宅では寝床で電子本を読みつづけております。病身で外出できなくとも寝たまま本を買うこともできるわけで、紙の本屋さんには気の毒ですが、本キチガイにとってはまことに有難い時代になったものです。それに電子本の多くは買うにあたって立ち読みができます。紙の本も本屋で立ち読みできますが、余り長く読んでいるわけにはいかない。そこへゆくと電子本はまえがきから目次ばかりでなく、どうかすると最初の1節くらいも読むことができます。これで初めての著者の場合など文章が読みやすいかどうか判断できます。
 先日は皇后陛下ご愛読のイギリスのユーモア探偵小説というので、立ち読みのできないまま購入したところ、中身はマンガでガッカリしました。本物は無論文章で書いてあるわけですが、それをマンガに直したらしく、立ち読みの確認ができないような初めての電子本は避けるべきだと思いました。
 電子本を読むための道具は、私の場合 iPad Proです。画面が大きいので活字も大きく読みやすく設定できます。購入ずみの電子本は蔵書として目に見えない雲の中(in cloud)にしまってあり、現在およそ2,350冊余り。今年もまた面白い本をたくさん読みたいと願っております。

 佳き年のご多幸をお祈りいたします。

 
  (西川 渉、2019年元旦)
 
 
      



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