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本頁開設10周年

 

 本頁『航空の現代』が開設10周年になりました。お陰様で毎日たくさんの皆さまにご覧いただき有難く厚く御礼申し上げます。

 開設は1996年11月3日でした。当初は何人の方にご覧いただいたのか分かりませんが、1年半ほどたってアクセス・カウンターをつけてから読者数が分かるようになりました。6日現在「2,392,414」という数字が見えるのは、8年と4ヵ月余りの間の読者数です。最近は毎日平均2,500件、多いときは3,000件を超えるようになりました。有難うございます。

 本頁の内容は、ニセ記者にしてエセ評論家の駄文ですが、決していい加減に書いているわけではありません。感想や意見を書くにしても、先ず事実関係を調べ、ときには外国へも出かけていって取材をしたうえで、その事実に自分なりの解釈を加えて書いております。

 取材の結果、事実だけを書いても面白くないわけで、それでは単なる新聞記事になってしまいます。単純な事実の上に独自の見方が重なると、読んで面白い文章ができるのではないかと思います。

 それも、できれば相互に関係のない2つの事柄を取り上げ、それが思いがけないところで触れ合って化学反応を起こす。そんな作文ができれば、読んでいて面白いのではないかと心がけております。

 第2の心がけは、前にも書きましたが、井上ひさしにならって、「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」書くというです。といって、最近よく目にする奇妙な話し言葉を文字にしたようなものではなく、正統な日本文でなければなりません。

 本頁の第3の心がけは、原則として毎日更新することです。ヒット数が増えたのも、毎日更新が最大の理由ではないかと考えています。ただし、これには大変な時間が取られます。したがって現役サラリーマンには無理です。家にいる日が多くなったのは数年前からですが、そういう身分でなければ毎日更新はむずかしいでしょう。

 もっとも何故か、今年は無闇に忙しく頻繁に外国に出かけたり、さまざまな作文や原稿、あるいは講演を頼まれたりして、この数ヵ月間は毎日更新が少し乱れております。もうしばらくすれば波を乗り切れるでしょうから、そのときは原則に戻りたいと考えております。

 ところで2〜3日前のニュースで面白かったのは、英「ガーディアン」紙の伝える地上の3悪人です。その栄誉を受けたのはオサマ・ビン・ラディン、ジョージ・ブッシュ、それに金正日。世界の平和を乱す害人は誰かという与論調査の結果だそうで、まことにさもありなんと思いました。

 得点は上図のような順位ですが、日本人にとっては第3位の害人が最も危険で、次がブッシュということかもしれません。もっとも私個人としてはビン・ラディンの影響が大きく、この何年間かアメリカへ旅行するたびに、預けたはずのトランクの中がいつの間にか調べられていたり、空港のゲートでは上着や靴を脱がされ、水を取り上げられるといった被害をこうむっております。

 しかるに、世界中がかかる認識を持っているにもかからず、日本だけは依然、非核3原則を金科玉条として、テレビの政治討論会でも自民党も公明党も、民主党も社民党も口をそろえて、これが「国是」などと論じていたのにはあいた口がふさがらない思いでした。ときの首相か誰か、権力者が口走っただけのことを国是などと軽々しく言ってもらいたくないものです。

 上の3悪人の1人、第3位の害人が核弾頭をつけたミサイルを日本に撃ち込むと脅してきたらどうするつもりか。まさかミサイル防衛システムを信じているとは思えませんが、いったん発射されたミサイルを、北朝鮮から日本まで飛んでくるわずかな間に撃ち落とすなどという芸当は、たぶん確率にして100分の1くらいではないでしょうか。つまり99発は日本に降ってくるわけで、かかる事態を放置していた政治家諸公には、必ず「醜の御楯」(しこのみたて)となってテポドンの前に立ちふさがっていただきましょう。

 もうひとつ、役にも立たないミサイル防衛システム(MD)を日本に売りつけたのが上の3悪人の第2位の人物で、価格は1兆円だそうです。さらに今後、敵のミサイルも進歩するでしょうから、それに合わせてこちらも迎撃性能向上のための改良をしてゆかねばならない。そのための費用が毎年1兆円とかで、これはもう第2位と第3位が手を組んで日本を騙したり脅したりしたとしか思えません。

 こうなれば、日本は安部、麻生、中川の核論議3閣僚を中心に核武装について慎重かつ大胆に、現実的な方策を組立てる時期にきたといっていいでしょう。テレビの論議を聞いていても、何が怖いのか、政治家諸公が本音で語らず、建前ばかりをしゃべっています。これではいつまでたっても打開の道は開けません。


「おーい、あけてくれ」
核開発によって新しい道を開いた北朝鮮。
正しい道かどうかはともかく、彼らなりに
新しい可能性を開いたことは確かだ。

(西川渉、2006.11.7)

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