<ニュースの要約>

ボーイング717-300Xと7E7

 

 ボーイング社はこのほど新しい717-300Xの開発構想を明かにした。近距離区間で大量の旅客をのせ、頻繁に飛ぶような航空路線を想定したもので、航空界の要望に応えて計画したという。すでに数社のエアラインと交渉が進んでおり、一定の注文が得られれば、開発に着手する。

 ボーイング社は現在717-200(旅客106席)を製造している。新しい-300は、そのストレッチ型でエンジン出力を上げ、最大離陸重量が増加して、旅客は2クラスの標準座席配置で130人乗り。

 引渡し開始の目標は2006年後半。


ボーイング717-300X完成予想図

 一方、ボーイング社がかねて計画中の7E7ドリームライナーは、「超経済性」をめざす設計仕様が固まってきた。それによると、同機は7E7標準型と7E7ストレッチ型の2種類が考えられている。

 標準化は全長56.7mで、乗客200人乗り。12,200kmの航続性能を持つ。この胴体を61.6mに延ばしたストレッチ型は乗客250人乗りで航続距離は14,800km。

 その特徴は燃料効率が良くて経済性が高いことに加え、貨物室の余裕が大きく、LD-3コンテナと貨物パレットを5個ずつ搭載することができる。これにより、貨物搭載量は競合機種A300-600の57%増になる。またストレッチ型はコンテナ8個、パレット6個の搭載が可能で、A330-200の44%増になる。したがって、今後の貨物需要の伸びを考えるならば、本機の使用による収入の増加は大いに期待できるとボーイング社は主張している。

 なおボーイング社はこのほど、7E7について日本からの需要に大きな期待をかけていると語った。経済産業省も7E7開発助成金として平成16年度予算に28億円を計上した。日本のメーカーも三菱、川崎、富士の3重工がそろって開発に参加し、開発費の負担率は合わせて3割近くに達する見こみ。

 7E7は2007年に初飛行し、2008年から就航の予定。ボーイング社はすでに50社以上のエアラインと契約交渉を進めている。


ボーイング7E7完成予想図

(西川 渉、2003.9.21)

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