<ボーイング>

747-8F試験飛行終了

 ボーイング社は去る8月3日、747-8F貨物機の試験飛行を終了した。

 747-8貨物機は2010年2月8日の初飛行以来1年半の間に、原型5機を使って1,200回、3,400時間の飛行をしてきた。

 間もなくFAAの型式証明が交付され、9月には量産1号機がカーゴラクス貨物航空へ引渡される予定。最近までの受注数は76機。

 747-8の飛行特性は従来の747によく似ているが、飛行管理のためのコンピューターソフトは進歩がいちじるしく、飛行精度180mほどの誤差で飛ぶことができるという。

 胴体は現用747-400貨物機よりも5.6m長く、貨物搭載容積が16%増となり、貨物パレットは主デッキに4枚増、下部デッキに3枚増の搭載が可能。これで、運送費が大きく低下する。最大離陸重量は442トン。

 エンジンはジェネラル・エレクトリックGEnx-2B67ターボファンが4基。騒音はきわめて小さく、最近カリフォルニア州のある町の上を低空で飛んだとき、警察に何件かの電話がかかってきたらしい。騒音の苦情かと思いきや、エンジンの停まった飛行機が墜落しそうだという通報だった――とは、米アビエーション・ウィーク誌の報ずるところだから、本当なのであろう。

 姉妹機の747-8iインターコンチネンタル旅客機(467席)は今も試験飛行が続いている。が、今年秋には型式証明を取得、年末までに量産1号機がルフトハンザ航空へ引渡される。来年初めから定期路線に就航する予定。

(西川 渉、2011.8.16)

表紙へ戻る