<ボーイング>

787試験飛行進む

 

 ボーイング社によれば、787の開発試験は去る12月15日の初飛行以来順調に進んでいるもよう。複合材を史上初めて大量に使っているため、今後なお問題が出ないとは限らないが、このままゆけば全日空向け量産1号機の引渡しは予定通り11月に始まり、年内に3機を引渡すという。

 試験機は現在4機が飛んでいる。5月には5号機も飛ぶ予定で、同機は初めてGEnx-1Bエンジンを装備する。また6月には6号機も飛行する。

 試験飛行は目下、10人のテスト・パイロットによって進行中。そのうち4人が1〜4号機の各責任パイロットとして任命されている。

 すでにエバレット工場では量産機の製造も始まっており、11月の引渡し開始までには30機の製造に着手する計画である。

 787の最近までの受注数は約840機。記録的な大量受注だが、いよいよ引渡し段階に入って、計画通りの月産数が維持できるかどうかが次の課題。月産機数が計画通りに進まないと、エアバス社が2年遅れで開発中のA350XWBが追いついてくる可能性もある。

 なおボーイング社は787の試験飛行が順調に進みつつあるところから、ストレッチ型の787-10についても検討を再開するもよう。787-10は標準型よりも座席数が50席多い。その構想は前からあったが、強度問題などから機体重量の増加が懸念され、棚上げになっていた。しかし試験が進むにつれて、そうした心配のないことが確実になり、復活の可能性が出てきたものである。

(西川 渉、2010.4.12)

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