<ボーイング787>

いつ飛ぶのか

 ボーイング社は787旅客機のバッテリーを再設計し、試験飛行をした結果について、その検証とエアラインによる飛行再開の認可をFAAに要望している。

 定期便がいつ再開できるか。その時期について、ボーイング社は「できるだけ早く」というだけで、具体的な日取りは示していない。けれども「再設計の結果については技術的にも自信がある」と表明し、FAAも全面的に協力している。

 これにより、787の改修と飛行の再開は今年夏には可能になると見られている。ただしエアラインの方は、まだボーイング社から具体的な時期は明示されていない。

 一方、全日空は現有17機の787が5月いっぱいは飛行できないことを想定し、定期便を減らすなど、新たな路線ダイヤを組んでいる。その影響を受けるのは日本からシアトル、サンノゼ、ソウルなどへの国際線だが、6月から飛行再開ができるとは限らない。また本来ならば、6月29日から成田〜シカゴ・オヘア空港線を1日2便とする計画だったが、それも可能かどうか不明。 

 FAAは周知の通り、2機のボーイング787に搭載されていたリチウム・イオン電池が発火したことで、今年1月なかばから同機の飛行を禁止した。このためボーイング社はエアラインへの賠償金やら、量産機の引渡し遅延による収入減やらで、毎週推定5,000万ドルの損失が出ているもよう。

 その一方で、ボーイング社は昨年、営業面で好成績を挙げた。これはアメリカの経済不況の中で達成されたものだが、世界中の多くのエアラインが保有機を買い替える時期になったからであろう。また発展途上国からの注文も多く、新しい低燃費の旅客機も人気が高かった。

 こうして旅客機に関しては、ボーイングとエアバスの両社が他を引き離して屹立するようになった。その両社に対し、これから挑戦してくるのが中国ではないかと、ボーイング社はいう。

 なぜなら「中国は資金力と技術力を持ち、さらに広大な国内市場がある」というのだが、半分はみずからの油断をいましめるボーイング自戒の言葉であろう。あとの半分は中国への挨拶で、同社の予測によれば中国の市場は向こう20年間に新製機5,260機、金額にして6,700億ドル(約60兆円)相当の需要があるというのだから、仇やおろそかにはできない。最近の不況に見舞われたアメリカの政治家や財界人によく見られる姿勢である。

(西川 渉、2013.4.2)

【野 次】

 シナ人をおだてるとどうなるか。ヘンにおごり高ぶって手が着けられなくなる。第一、連中のつくった飛行機に、誰が乗りたいと思うかね。安いからといって、西側エアラインが買うようになったら、バッテリーの過熱くらいではすまないはず。連中には、自分たちは駄目なのだと思わせておいた方がいい。

 カネに目がくらんだような姿勢はアメリカばかりでなく、日本の自動車メーカーなどにも見られるから、注意しないといけない。

(野次馬之介)

 

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