<エアバス>

A380の引渡し開始

 

 エアバス社は10月15日、A380超巨人旅客機の量産1号機をシンガポール航空へ引渡した。南仏トゥールーズのエアバス本社には500人以上の関係者が集まり、引渡し式がおこなわれた。

 この機体は10月17日、シンガポールのチャンギ国際空港へ空輸され、10月25日から豪州シドニーへの定期路線に就航する。最初の往復は25日に往路、26日に復路を飛び、航空券はオークションによって売り出された。その結果、最も高い価格は100,380ドル(約1,200万円)、最も安い価格は560ドル(約67,000円)となった。総額では125万ドル(約1.5億円)に達したという。

 A380の座席数は最大853席まで可能だが、シンガポール機は3クラスで471席。うち12席は、通常のファーストクラスよりも豪華なスイート席で、シドニーまでの運賃は12,564豪州ドル(約130万円)。残り60席はビジネスクラス、399席はエコノミークラスである。

 10月27日からは毎日1往復ずつ、今の747-400に代わって飛行する。


シンガポール航空A380の豪華スイート席 

 なお、A380の引渡し開始は当初の予定より1年半遅れた。このためエアバス社にとっては60億ユーロ(約1兆円)の損失となったが、これを取り戻すには420機以上の生産が必要と計算されている。現在までの受注数は189機.。そのうちシンガポール航空の発注数は19機である。

 他方、エアバス社は早くもA380のストレッチ型について将来構想をめぐらしている。同機は機体を引き延ばして座席数を100席増とするもので、飛行機としてはその方がバランスの取れた形になるという。

(西川 渉、2007.10.16)

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