<エアバス>

A380の疲労試験

 

 南仏トゥールーズのA380製造施設の一角に見た地上疲労試験施設。未完成ではあるが、写真で見るように全長約64m、主翼スパン約80mの実際の機体によって47,500回の飛行を想定し、実際にかかる荷重の1割増の荷重をかけて、試験をおこなう。


トゥールーズ空港の一角に建設中のA380地上試験施設

 荷重のかけ方は、長距離飛行、中距離飛行、近距離飛行など、さまざまな飛行を想定する。1回あたりの飛行で平均480種類の荷重をかける。機体側の反応は、引っ張り、歪み、加圧、温度などのデータを8,000に近いチャネルを通して集める。

 そのうえで飛行4,000回ごとに構造検査をおこなう。検査の内容は較正検査、加熱試験、破損測定など。


地上試験施設の完成模型

 試験の日程は、2003年12月に試験施設の建設開始、2004年秋試験機の引渡し、2005年10月疲労試験開始、2006年1月5,000回分の模擬飛行完了、2008年疲労試験完了。

 この地上試験により、A380は日程通りの引渡しが可能となり、かつエアラインは高い信頼性をもって運航することができるという。


バスの窓ガラス越しに撮ったので薄ボンヤリしているが、大きいことは妙に実感できるのではないか。

 いよいよ姿を現したA380

 ベルリンで見たエアバス機

(西川 渉、2004.7.7)

(表紙へ戻る)