<フライト・インターナショナル>

全日空A380の導入検討へ

 今週の英フライト・インターナショナル誌によれば、全日空は間もなくエアバスとボーイングの両社に対し、それぞれA380と747-8の見積もり提案を求めるもよう。全日空はかねてA380の導入を検討するとしていたが、いよいよ747-8との競争の形で具体的な検討に入るものと思われる。いずれか採用になった方には5〜10機の発注をする予定。

 全日空は以前から、A380のような超巨人機は要らないとしてきた。しかし今年に入って、現用747-400に代わる大型機を2012年頃から飛ばしたいという考えを明らかにした。747-400はすでに777-300ERに代わりつつあるが、747-8やA380によっていっそう強力なフリートを形成しようというのであろう。

 なお全日空はエアバスA350XWBと777についても、見積もり提案を求めるもよう。

 A380は現在まだシンガポール航空でしか飛んでいないが、エミレーツ航空は来る8月1日からドバイ〜ニューヨーク間にA380を投入すると発表した。週3便の予定で、これが実現すればA380初のアメリカ向け定期便となる。所要時間は14時間。

 エミレーツのA380は座席数が全部で489席。うちファーストクラスが14席、ビジネスクラスが76席で、床下の貨物搭載量は13トン。1号機は7月28日に受領の予定だが、その後保有機が増えるにつれてドバイからロンドン線やシドニー線へも投入。またアメリカ路線も、ヒューストン、ロサンジェルス、サンフランシスコなどへ拡大する。

 エミレーツ航空はA380を58機発注している。これはエアラインの中では最も多い。


先月のベルリン航空ショーで見たA380
(冒頭の写真も)

(西川 渉、2008.6.12)

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