<野次馬之介>

787を大量キャンセル

 ユナイテッド航空は、ボーイング787のバッテリートラブルに伴い、50機の発注を全て取消した。うち6機は受領ずみだが、これもボーイング社に返却し、支払った代金を返して貰うことになった。ただし、その代わりに737-900を同数の50機発注する。

 さあ大変なニュースだが、実はこれエイプリルフールである。同じように、英バージン・グループのリチャード・ブランソン会長はヴァージン・アトランティック航空の旅客機の通路の床をガラス張りにして、地上の景色がよく見えるようにすると発表した。合わせてスリルを満喫できるとか。


通路の床から見える地上の景色
まるで雲の上を歩くような気分になるだろう

 飛行機は何よりも重量が問題になる。搭載物が重ければ離陸後の上昇性能に影響し、高度が取りにくく、巡航速度も落ちる。上昇率や速度を維持するには出力を上げる必要から燃料消費が増える。エアラインにとってはコストが上がるわけで、それならば航空運賃も1席いくらというのではなくて、乗客の体重に比例して1キログラムいくらという計算にしてはどうか。

 というのでサモアエアは、この4月から世界で初めて航空運賃を体重比例制に切り替えた。予約にあたっては、自分の体重と手荷物の重さを申告し、それに応じた金額を払いこむ。そして飛行機に乗る前、改めて空港で手荷物と共に体重計に乗り、確定運賃を支払う。逆に申告よりも軽ければ戻して貰うことになる。実はこれ、エイプリル・フールではなく、本当の話らしい。

 以下、4月1日に発表されたニュースをひろってみよう。どれが本当で、どれが冗談か、皆さまのご判断におまかせする。

 ボーイング社は航空機の飛行重量をいくらかでも軽減しようというので、キャビンに噴射するエアコンの空気にヘリウムを混入する研究を進めている。ヘリウムは、ご承知の通り、飛行船の浮揚に使われる軽いガスだが、これを飛行機のキャビンに注入し、機体に浮力をもたせようというアイディア。たとえば最大離陸重量15万ポンドの737次世代機の換気装置にヘリウムを混入すると、3〜4%の燃料が節約になるらしい。その分だけ旅客機の運航費が下がって、乗客の運賃も安くなるというわけだ。

 下の写真は子供たちに「ニルスのふしぎな旅」を味わって貰う旅客機。このおとぎ話は、妖精によって小人にされた少年がガチョウの背中に乗って飛びまわり、冒険をつづけてゆくというもの。その夢を実現するために製造されたエアバス・ガチョウ号である。


ニルス航空のガチョウ号

 小さな子供、つまり幼児や乳児と同じ旅客機に乗り合わせるととんだ災難に遭うことがある。ちょっと大きい子供は機内を走り回るので、うるさくてしょうがない。幼児の前の席にすわろうものなら、後ろからこちらの背もたれに足をかけてどんどん蹴飛ばすので、安眠妨害どころか坐ってもいられない。もっと小さい乳児はギャーギャー泣きわめくので、こちらも泣きたくなる。

 そんな不幸な目に遭う確率はどのくらいか。昨年6月、シドニー〜ロンドン線の月曜日のコンピューター予約のサイトを精査し、集計した結果は次の通りとなった。

  • 子供と乗り合わせる確率:83%
  • あなたの背もたれを蹴飛ばす子供が後席に乗る確率:16%
  • ワーワー泣き叫ぶ赤ん坊の隣に坐る確率:13%

 皆さん、どうぞ良いご旅行を。

(野次馬之介、2013.4.4)

 

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