<ファーンボロ2004>

エアバス対ボーイング(3)

 

 ファーンボロ航空ショーの会場で、エアバスとボーイングの受注合戦がはじまった。

 エアバス社はアラブ首長国連邦の国営エアライン、エチアード航空からA380を4機とA330/A340を20機購入するという覚書を受けた。エチアード航空は2003年11月からアブダビを拠点に、3機のA330/A340で定期運航を開始したばかりの航空会社で、資本金は全額アラブ首長国政府の出資である。A330/A340の引渡しは2006年からはじまる予定。

 これに対してボーイング社は、同じアラブ首長国のエミレーツ航空が777-300ERを13機発注する旨の覚書を受けた。2006年から引渡しがはじまる。

 さらにブラジルのゴル航空からも、ボーイングは737-800を2機受注した。

 エアバス社は今年1〜6月の上半期に確定104機の注文を受けた。それに対してボーイング社は82機である。ただしボーイングはほかに、7E7について62機の予約注文を受けているが、これはまだ確定とはみなされず、82機の中には含まれていない。

 また、この半年間の引渡し数はエアバスが161機、ボーイングが151機であった。内訳は下表のとおりである。

 今年1年間の引渡し数について、エアバス社は、2003年の年間引渡し305機を今年も下回ることはないとし、来年以降は生産数の増加を予定している。たとえばA330/A340は、今の月産6機を2005年末までに8機に増やす。またA320ファミリーは2006年上半期までに、今の月産20機を30機とする計画。

 なおA380は、2005年1月なかばに原型機がロールアウト、2月に初飛行する予定という詳しい日程も公表された。

 一方ボーイング社は今年の引渡し数について、285機を予定している。2005年は300機の計画。

 ボーイング社は長距離用の737-900Xの開発を検討中。また7E7のエンジンその他の新しい技術を747-400に応用する発達型についても検討を進めている。

 そして7E7については、上記64機以上の受注発表はないが、エアライン30社以上と売買交渉を進めており、機数にすれば600機を超えると語った。このうち24社から200機以上の注文が得られるのは確実としている。

(西川 渉、2004.7.22)

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