<受注競争>

エアバス対ボーイング(6)

 

 エアバス対ボーイングの競争はとどまるところを知らない。7月末になって、タイ航空がA380を6機発注した。ほかにA340-500とA340-600を1機ずつ発注したのはまだ分かるとしても、同時に777-200と思われるボーイング中距離機を6機発注したというのである。合わせて14機、96億ドル(約1兆円)の買い物である。

 タイ航空は現在83機の機材を運航している。またA340-500を3機とA340-600を5機発注中という。

 中国国際貨輸航空(エアチャイナ・カーゴ)はボーイング747-400F貨物機2機を発注した。同機は最大積載量124トン、航続距離8,240kmで、約100機が世界中で運航されている。-400以外の747貨物機も合わせると、747Fの総数は現在260機以上。

 中国国際貨物航空は昨年設立されたばかりで、747-400Fは2005年11月と2006年3月に1機ずつ受領、北米との間の貨物輸送に使用する。

 全日空が発注していた50機の7E7について、内訳が明らかになった。標準型の7E7-8が20機、近距離用の7E7-3が30機だそうである。

 このうち7E7-8は2008年に6機、2009年に6機が引渡される。7E7-3の引渡しは2010年から始まる予定。エンジンの選定は11月に決まるもよう。

 これらの7E7は現用767の後継機となる。また長距離国際線には今の747-400に代わって777を使い、将来はA380の導入もあり得ると伝えられる。というのもエールフランスやルフトハンザがA380で東京に乗り入れてくるためで、それに対抗するにはこちらもA380を持つ必要があるという考え方が出てきたのかもしれない。

(西川 渉、2004.8.1)

(表紙へ戻る)