<エアバス対ボーイング>

四つに組む開発競争

 

 ボーイング民間ジェット旅客機は、今年に入って最近までに総数806機の確定注文を受けたと伝えられる。これは近来にない大量受注記録だが、その大半は中東およびアジア地域からの注文らしい。しかし、来年もこうした大量受注が続くはずはなく、2006年は今年よりも減る見こみという。

 大量受注のうち185機は787への注文である。同機の開発が進む一方で、ボーイング社は先月、同社史上最大の発達型747の開発着手を決めた。今のところは、まだ貨物型だけの受注だが、来年初めには旅客型の注文を取るべく、シンガポールや香港のエアラインとの間で懸命の契約交渉が続いている。

 ボーイング社としては、この発達型747によってエアバスA380の巨人機市場における君臨をはばもうという戦略であることは間違いない。

 エアバス社は2003年に引渡し数がボーイング社を上回った。以来リードをつづけ、2005年の引渡し数は400機に達する見こみ。対するボーイング機の引渡し数は290機である。しかしボーイング社では2008年に787の引渡しが始まれば、再びエアバス機を上回ると見ている。

 なお、エアバス機の2005年受注数は10月末までで、500機弱であった。

 今やエアバス対ボーイングの開発競争は、4機種が出そろい、まさに四つに組んでの勝負となった。いずれも今後5年以内の就航をめざして懸命の開発努力が続いている。そのもようを整理すると、次表のようになる。

エアバス対ボーイング――受注・生産・開発競争

    

エアバス

ボーイング

大型機

A380
 最大離陸重量560トン
 乗客数555
 初飛行2005年4月27日
 就航目標2006年末
 受注数159機

発達型747
 最大離陸重量436トン
 乗客数450
 初飛行2008年
 就航目標2009年
 受注数18機(貨物型)

中型機

A350-800
 最大離陸重量245トン
 乗客数253
 初飛行2009年後半
 就航目標2010年半ば
 受注数155機

787-8
 最大離陸重量217.9トン
 乗客数223席
 初飛行2007年
 就航目標2008年
 受注数309機

2005年
全機種受注数

約500機(10月末)

806機(11月末)

(西川 渉、2005.12.8)

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