<ボーイング対エアバス>

単通路機の受注伸びる


737MAX

 ボーイングとエアバスの旅客機受注競争は、今年に入っても相変わらず激しい。

 ボーイング社は1〜2月の2ヵ月間の純受注数が385機となった。内訳は737が370機、747が4機、787が13機で、逆に777が2機キャンセルされた。

 これに対してエアバス社は、2ヵ月間の受注数が97機であった。内訳はA320が88機、A330が3機、A350が6機。

 両社の内訳を見ると、双方ともに単通路の双発機――A320と737の受注数が多いことが分かる。この受注増を引っ張っているのが2010年12月に開発が決まったA320neoと2011年8月から開発が始まった737MAX。いずれも従来の機体に燃料効率の高いエンジンを取りつけ、737MAXはCO2の排出量が現用機の10〜12%減となり、座席あたりの運航費も競合機にくらべて7%減となる。量産機の引渡しは2017年に始まる予定。

 対するA320neoは、これより早く2015年の就航をめざして開発が進んでいる。ちなみに新しいA320には「シャークレット」と呼ぶ大型のウィングレットをつける計画で、昨年12月から試験飛行が始まり、今年中に実用化の予定。これでA320の燃料効率は3.5%ほど良くなり、航続距離が175kmほど伸びるという。

 なお、昨年の両社の総受注数は、ボーイング805機、エアバス1,419機だった。したがって今年は、今のところ逆転状態となっている。また両社を合わせた受注数は昨年のペースを上回る。激しい競争が好結果を生んでいる例といえるかもしれない。それにつけても、各電力会社に地域独占を認め、事故を起こしながら勝手な値上げを許す日本の電力行政の情けなさを思う。

(西川 渉、2012,3,23)


A320

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