<パリ航空ショー>

ボーイング787-10の開発着手

 ボーイング社はパリ航空ショーで、787-10の開発着手を発表した。同機はすでに102機の注文を5社から受けており、2018年から量産機の引渡しを開始する予定という。

 787-10は787ー9を5.5m引き延ばしたもので、客席数が40席増加し、総数300〜330席となる。航続距離は13,000km。これにより長距離国際線を飛ぶことになるが、キャビンの与圧や換気の改善によって、乗客は長時間の旅行でも時差の苦しみをさほど感じなくなるという。

 こうした設計仕様はエア・リース社の強い意見にもとづいて決められた。航続距離を当初の設計案より伸ばしたのは同社の要求によるもので、燃料搭載量を増やす必要があるところから最大離陸重量もやや大きくなって250トンに達した。この重量増加に伴い、主翼と胴体の取りつけ部分や降着装置を強化し、エンジン推力も当初計画よりわずかながら強化することになっている。

 このようにして航続性能が13,000kmになれば、787-9のそれよりも2,700km増となり、世界中いずれか2都市を結ぶ組み合わせの97%の区間を飛ぶことができる。これで将来、現用777-200やA340の代替時期になれば、787-10が後継機として採用されるだろう、とエア・リース社はいう。

 座席数も競争相手のA350-900と-1000との中間にあたり、十分に競争力があるというのがエア・リース社の見解。

 787-10は2017年までに試験飛行を完了、2018年から量産機の引渡しを開始する。

 最近までの受注数は5社から102機。内訳はエア・リース社から30機、ユナイテッド航空から20機、英国航空から12機、シンガポール航空から30機、GEキャピタルから10機。

 (西川 渉、2013.6.20)

 

 

 

 

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