<ティルトローター>

BA609原型2号機が初飛行

 ベル/アグスタ社が開発中のBA609ティルトローター機は去る11月9日、2号機がイタリア北西部のカメリ空軍基地で初飛行した。

 飛行は52分間にわたって続けられ、前進、後進、左右飛行のほか、離着陸も何度か繰り返した。またナセルを前方へ15°傾けたり、安定性の試験もしている。こうした試験飛行は今後も数ヵ月間にわたって行なわれる予定。

 このイタリア製609が地上試運転を開始したのは去る7月13日のこと。以来4ヵ月近い試運転と点検を繰り返して、飛行に至ったもの。

 一方、2003年3月7日ベル社で初飛行したアメリカ側の1号機は、試験飛行時間が100時間を超え、去る7月22日にはヘリコプター・モードから固定翼機モードへの転換飛行に成功した。これにより同機は、最近までに高度7,500m、速度304ノット(563 km/h)を記録している。

 こうしたBA609は6〜9人乗りの民間型ティルトローター機として、合わせて4機で試験飛行をしたのち、2009〜10年には米FAAとイタリア航空局の型式証明を取る予定。そのため原型3号機はイタリア、4号機はアメリカで組立てが進んでいる。

 量産はアメリカとイタリアの両方で行なう計画だが、部品ごとの製造は同じメーカーが担当し、最終組立てラインがアメリカでもイタリアでも全く同じものになる。

 最近までの受注数は約60機。今後テスト飛行が進むにつれて増加の見こみ。顧客パイロットはフォトワース近郊のアライアンス空港で訓練を受ける。


イタリアのメーカーにしては塗装がアカ抜けない。
広報写真も、もっとあざやかな恰好良いシーンが欲しいところ。

(西川 渉、2006.11.21)

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