<パリ航空ショー>

ベルSLSの開発へ

 ベル・ヘリコプター社はパリ航空ショーで、新しい小型単発タービン・ヘリコプターの開発計画を発表した。5人乗りの同機はロビンソンR66やユーロコプターEC120に対抗して、小型ヘリコプターの市場で206ジェットレンジャーの失地を回復するのが狙い。

 同機は"Short Light Single Helicopter"という概念からベルSLSと呼ばれる。特徴はグラス・コクピット、2重のデジタル制御エンジン、キャビン後部の貝殻ドア、ワイア・ストライク対応装置など。また操縦席および後方キャビンの窓が大きく、視野が広い。2枚ブレードの主ローターや尾部ローターは206L-4のそれを準用する。

 エンジンはターボメカ・アリウス2Rターボシャフト(450〜550shp)が1基。2014年に初飛行し、できるだけ早く型式証明を取るという。

 速度は230q/h、航続距離660〜770km、上昇限度3,350m、有効搭載量680kg。価格は、R66とEC120の中間くらいとか。

 これでベル社は、525リレントレス、米陸軍向け第3世代のティルトローター機V-280を合わせ、3機種を同時平行して開発することになる。

 なお、ベル206小型ヘリコプターは 1967年以来 7,400機近く生産され、今なお 4,400機以上が世界中で飛んでいる。

 (西川 渉、2013.6.19)

 

 

 

 

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