<HELI-EXPO 2005>

ベル429の開発

  

 ベル・ヘリコプター社は2月6日、HAI大会の初日、新しいベル429軽双発ヘリコプターの開発計画を明らかにした。展示会場の奥に2機のモックアップを置き、カーテンで隠しておいて数百人の観客を集め、ジェームズボンドの音楽と煙霧と照明が交錯する中で、カーテンを引き上げるという派手な演出。

 2機のモックアップは、ビジネス用と救急用の内装であった。


黒字に金の縞模様が入ったベル429エグゼクテブ乗用機。


429エグゼクテブ機のキャビン。豪華というよりもスマートなしつらえ。

 モデル429は、昨年のHAI大会で発表した427を発展させたもので、機体は一回り大きく、キャビン内部も7割ほど広くなった。それに、この1年来飛行試験を続けてきたMAPL技術を採り入れて用途の柔軟性をねらっている。4枚ブレードの尾部ローターも新しい設計である。

 エンジンはPW207ターボシャフト(1,100shp)が2基。有効搭載量は1,200kgで、ペイロード満載で670kmの航続性能を持つ。計器飛行も可能。

 2006年初めに初飛行し、2007年春までに型式証明取得、同年なかばまでに引渡し開始の予定。基本価格は395万ドル。受注数は現在90機余りで、そのうち15機は救急用という。

 この開発には、日本から三井物産エアロスペース社も資金を出し、リスク分担のパートナーとして参加している。


救急装備をしたベル429


429救急機の後部ドア。単なる貝殻ドアではなく、腕木がついて大きく開く。

 ベル429の予備的な基本データは下表の通り。

要  目

データ

最大離陸重量

3,175kg

空虚重量

1,950kg

有効搭載量

1225kg

カーゴフック容量

1,270kg

燃料搭載量

215ガロン

最大速度

262q/h

ホバリング高度限界

  地面効果内

3,650m

  地面効果外

2,830m

航続距離

648km

航続時間

3.8時間

(西川 渉、2005.2.21)

 

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