<読売新聞>

ヘリコプターの起源

 

 先日、読売新聞の宮本清史記者にヘリコプターの起源は那辺にあるかを訊かれた。私の知る限り、最古のアイディアは中国の「タケトンボ」ではないかと思う。もっとも、このトンボの羽根は航空史の教科書を見ると、竹ではなくて鳥の羽根でつくってあるように見える。これを今の竹とんぼのように、手のひらで回転させて飛ばしたのではないだろうか。

 一方で、紀元前200年頃のアルキメデスは、巻き貝のような螺旋状の板を円筒の中で回転させ、水のくみ上げなどに使ったという。その絵も教科書には出てくるが、空気の代わりに水を推すもので、これをヘリコプターの起源というのは無理かもしれない。

 日本では平賀源内が江戸時代に竹とんぼをつくったと伝えられる。その竹とんぼの軸の下に半球を取りつけ、頭の上に貼りつけると「タケコプター」になり、自由自在に空を飛ぶことができる、というお話はドラえもんのマンガである。これによって子どもたちは幼いときから空飛ぶ夢をふくらませることになる。

 そんな、私のとりとめもない話をまとめていただいたのが下の記事。去る4月12日の読売新聞夕刊2面に掲載されたので、ここに記録しておきたい。


読売新聞、2016年4月12日夕刊2面

(西川 渉、2016.4.24) 

      

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