<HELI-EXPO 2006>

ロビンソン・ヘリコプター

 ロビンソン・ヘリコプター社は2005年中に806機の新製機を引渡した。うち563機はR44、残り243機はR22。この生産機数は、どのヘリコプター・メーカーよりも多く、何年か前からつづいて、今年も世界最多のヘリコプター製造メーカーとなった。

 ロビンソン社は2004年以来「ロサンジェルス・ビジネス・ジャーナル」誌の「急成長私企業」のひとつに選ばれている。これは前年までの2年間に売上高の伸びが大きかった企業100社を選んで、ランクづけするものらしい。ただし非上場の独立企業で、大企業の子会社であってはならず、本社がロサンジェルスにあるものという条件がつく。ロビンソン社は2004年が100社中69位だったが、2005年は23位に上がったという。


展示されたロビンソン機は白い塗装ばかり。
もう少し写真うつりを考えた色を塗って貰いたかった。

 余談ながら、ベル417と429は一段高いところに飾ってあるが、濃い青系統の塗装であるうえに照明が暗く、いろいろ考えた展示ではあろうが写真うつりが悪かった。

 その点、アグスタ社の展示は白い絨毯に赤い背景の広々した場所に白を基調として赤や青の色を加えた機体が並び、天井にも白い布を張って照明が明るく、写真の写りばえも良かった。他の展示者の中に暗くて高い鉄骨むき出しの天井を隠したところはひとつもない。こういうことになると、やはりイタリア人のセンスは上等である。

 ついでにシコルスキーもユーロコプターも、狭いところにごしゃごしゃと機体が置いてあって、各機が重なり合うのでなかなか機体全体が撮りにくい。展示の仕方は、みんな、どうも下手である。

 なおロビンソン社は1973年に設立された。発足時にはフランク・ロビンソン氏と、もう一人の技術者の2人しかいなかった。今では1,200人を超える人びとが働いている。

 R22とR44の生産体制は、現在、毎週16機。創業以来の生産機数は最近までに6,500機を超えた。2005年末には4,000機目のR22が出荷されたばかりである。

 R22はロビンソン氏の安くて信頼性が高く、飛行性能にもすぐれた小型機をつくりたいという考えから生まれたもの。1975年に原型機がつくられ、79年に型式証明を取得している。現在、複座R22の基本価格は約21万ドル、4人乗りR44は37万ドルである。


ハリケーン「カトリーナ」の被災地に着陸したロビンソン機

(西川 渉、2006.3.14)

(表紙へ戻る)