<ILA2004>

HTH開発構想 

 

 ベルリン航空ショーの会場で、ユーロコプター社がドイツを初めとする欧州諸国に、次世代の大型輸送用ヘリコプターの開発を提案中と伝えられた。同機はヘビー・トランスポート・ヘリコプター(HTH)と呼ばれ、現用シコルスキーCH-53の後継機となるもの。

 最大離陸重量は36,000kg。ペイロード10〜13トンまたは兵員70人をのせることができる。エンジンは6,700shp級のターボシャフトが3基。最大300km/hの速度性能をもち、航続距離は1,200km。

 この開発には、NH90の開発から得られた技術が援用される予定で、たとえば操縦系統はNH90と同じフライ・バイ・ワイヤになる。また複合材キャビンも共通。

 こうしたHTH構想について、ドイツ国防省は検討中というが、ドイツだけでは機数が少なくて開発に踏み切ることはできない。そこで欧州諸国の需要も必要になり、そうした支援が得られるならば、2012年までの実用化をめざす。

 需要は欧州諸国で150機が見こまれる。加えて米国でも、同じような大型ヘリコプター200機の必要性があるとされている。そのためユーロコプター社はアメリカ市場をめざしてベル社かシコルスキー社との共同開発を提案しているようだが、まだ明確な回答は得られていない。


ユーロコプターHTHの完成予想図(ショーの屋内展示場に模型か何かがあったようだが、
気がつかなかった。やむを得ず、ここには印刷物からのコピーを掲載します)

(西川 渉、2004.5.20)

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