<イギリス沿岸警備>

民間委託

 イギリス沿岸警備のヘリコプター飛行業務が、カナダに本社を置くCHCヘリコプター社に委託されることになったという。この警備業務は過去23年間、英ブリストウ・ヘリコプター社がおこなってきたものだが、昨年暮れの入札の結果CHCに変更された。

 この契約で、CHCは沿岸4ヵ所の基地から合わせて7機のヘリコプターを運航する。機種はシコルスキーS-92が4機、アグスタAB-139が3機。4ヵ所の基地のうち1ヵ所は昼間のみの飛行だが、あとの3ヵ所は昼夜24時間の飛行になる。CHCが選定されたのは、これらの新機種がブリストウのシコルスキーS-61Nより速度性能がすぐれているためという理由が大きい。

 この契約により、CHCはS-92を4機追加発注した。警備飛行は2007年7月から5年間の予定で、その後の契約延長もあり得る。

 ニュースはここまでだが、本頁では、こうした公的飛行業務を民間へ委託する話題を繰り返し書いてきた。たとえばイギリス軍の基礎的なヘリコプター操縦訓練を民間に委託したり、オーストラリア空軍の救難業務を民間ヘリコプター会社がおこなうなど。

 これらは、いずれも経費が安くすむためで、安いからといって仕事ができないわけではない。ブリストウ・ヘリコプター社もS-61Nを使い、3ヵ所の拠点から20年間に1万回の出動で6,000人以上の人命救助をしている。日本でも同じようなことが考えられないだろうか。


英沿岸警備隊のS-92。上のAB-139も同じ塗装で、胴体側面には
HM COASTGUARD(女王陛下の沿岸警備隊)と書かれている。

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