<小言航兵衛>

集団的自衛権

 先日テレビを見ていたら、アフリカの水牛(バッファロー)を襲うライオンの話が出てきた。ライオンは何頭かのメスが徒党を組んで獲物を狙うらしい。オスはのんびりと昼寝をしているように見えるが、縄張りを確保するために、あたりを警戒し、侵入者を撃退する重要な任務を負っている。

 雌ライオンたちは四方に分散して水牛の群れを囲み、姿勢を低くしてじりじりと包囲網をせばめてゆく。水牛の群れはそれに気づくと一斉に逃げ出すが、群れは崩さない。ときには何頭かが束になってライオンに立ち向かうこともある。いっぽうで逃げる群れから取り残された仔牛などはライオンの恰好の攻撃目標となる。

 シマウマなどは、群れをつくって互いに頭を突っ込み合い、尻を外に向けて輪をつくる。そこにライオンやハイエナなどが攻撃をかけてくると後足で蹴り上げて撃退する。

 これが「集団的自衛権」である。水牛やシマウマのような草食動物は、そのようにしてお互いに助け合いながら、わが身を護る。海中の小魚ですら、多数が集まって大きな群れをつくり、サメのような肉食魚の攻撃から身を護るではないか。


忍び寄る野獣

 今、わが国で論議されている「集団的自衛権」は、ライオンやヒョウのような鋭い牙や爪をもたない日本が、考え方を同じくする外国との間で相互に助け合いながら身を護るということである。決して野党やマスコミがいうように、誰かと手を組んで「集団的攻撃権」を発揮しようというのではない。

 この自衛権と攻撃権を、社民党や共産党など野党の連中は区別がつかないらしい。彼らはいつも理屈抜きに与党を攻撃することだけがレゾンデートル(存在理由)みたいなものだから、集団的自衛権などは考えたこともない。いわば雌ライオンみたいなもので、護る方は雄にまかせて、自分たちは獲物攻撃に余念がない。マスコミも同じで、いつも政府を攻撃する黒ヒョウである。

 日本は戦後マッカーサーに牙を抜かれ、アメリカに飼い慣らされてしまった。これを学問的には「家畜化」(domestication)といってまことに情けない状態だが、草食動物みたいな現状では、群れの中に首を突っ込み、尻を外に向けた集団的自衛権の姿勢を取らざるをえない。

 それでも外敵が執拗に攻めてくるようであれば、反撃に転じることもあろう。しかるに日本の憲法では、集団的自衛権の「権利は有しているが行使はできない」という矛盾したバカバカしい解釈になっているらしい。自衛のための反撃は動物でもやっている自然の摂理である。「窮鼠猫を噛む」という言葉を知ってか知らずでか、昨日は自民党総務会で大勢の議員連中が集まって、長時間の論議をしたようだが、よくまあそんな分かりきったことを論じ合うものかな。

 そのうちに、野犬の群れのようなシナやコリアがますます図に乗って、キャンキャン吠えながら攻めこんでくるにちがいない。それらの野犬と一緒になって吠え立てる政治家やマスコミは、いつまで他者に護られたままでいいのか考えたことがあるのか。他国の庇護にすがったままでよしとする情けない連中は、さっさと自衛集団から離脱して、畜生どもの餌食になるがよかろう。

(小言航兵衛、2014.3.18)


集団的自衛権の行使

【参考文献】
    

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