ドクターヘリ講習会と講義資料

 この11月7〜8日、神戸でドクターヘリ講習会が開催された。数えて19回目。毎年春と秋の2回おこなわれているが、いつも定員を超える受講希望者があり、今回も130人程度という募集に対し、240人の応募者があった。それを抽選でしぼった結果が131人の受講者となった。

 受講者の内訳は、医師54人、看護師52人、救急救命士1人、操縦士8人、整備士6人、運航管理者5人、その他5人。「その他」の中には救急ヘリコプターの輸入販売にあたる商社の人と地方自治体の行政担当者1人が含まれるが、ドクターヘリは今後も各地で導入する必要があり、県庁その他の行政官の皆さんには是非ともこれに参加して、ドクターヘリの何たるかを承知していただきたいものである。

 また救急救命士が1人というのも寂しい。ドクターヘリは先ず消防機関から要請を受けて出動するもので、現場では救急救命士との共同作業になる。講習会後半の実習では、救急救命士の役割シミュレーションもおこなわれるので、多くの方に参加していただきたいと思う。

 なお私の講義は、「ドクターヘリ総論U」と題するごく基礎的なもので、内容は世界各国のヘリコプター救急の歴史と現状を見ながら、日本のあり方を考えるのが狙い。しかし持ち時間45分では、どうしても時間が足りない。そのうえ受講者への配布資料が3枚以下に限定されているため、制作したスライドの全てを持って帰っていただくことができない。ここに別添のとおり約60枚のスライド全てを掲載して、受講者の方はもとより一般の方にもご参考にしていただきたいと思う。

 (西川 渉、2009.11.9)

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