ムネオ疑惑は有権者の責任か

 

 

 3月5日付けの Newsweek メールマガジンに「皆様のご意見を募っています」とあって、「地元や自分の懐への利益誘導政治を行う政治家の姿は、これまでにも何度も見ています。しかし、私たち国民がそうした政治家を選んできたという意味では、政治が変わらないのは国民が変わらないことを望んでいるからかもしれません。政治に対するわれわれ有権者の責任について、どうお考えですか」という質問が送られてきた。

 私は、こんな紋切型の自虐的質問はちょっとおかしいと思い、600字以内という規定にしたがって次のように書いて送った。結果は同誌のサイトに載っているが、ここにも掲載しておきたい。

 鈴木宗男のような「政治家を選んできたという意味で……政治に対するわれわれ有権者の責任について、どうお考えですか」という問題提起は、それ自体おかしい。

 九州生まれの私から見て、あのような政治家を選ぶなんぞ、北海道の選挙民はどうかしていると思っていたのだが、よく聞いてみると地元ではちゃんと落選させているではないか。それが比例区で救われ、辛うじて代議士になれたのだという。その比例区の名簿のトップに据えたのは自民党幹部であろう。

 とすれば「有権者の責任について」問う前に「自民党の責任について」問うべきである。そのうえで今後、小選挙区で落ちたものが金集めがうまいからといった仲間うちだけの人為的な理由で、比例区で助けられるようなことがないようにする必要があろう。

 北海道人は健全であった。

 それにしてもムネオの話は聞けば聞くほど、読めば読むほど腹が立ってくるね。自民党も、景気の回復に名を借りた金権政治から早く脱してもらいたいものである。

(無念男、2002.3.8) 

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