NBAAショー(5)
グローバル5000 グローバル5000は去る10月25日にボンバーディア社が発表し、この年末に正式開発がはじまる予定の新しい大型ビジネスジェットである。
その計画にあたっては、過去2年間にわたって市場動向を調査し、顧客の要望に応える形で、長航続の現用ビジネス機、グローバル・エクスプレスの派生型として開発される。グローバル・エクスプレスよりもやや小さく、チャレンジャー604よりも大きくて、両機の中間に位置する。
競合機種は現用ファルコン900EXやガルフストリームW-SPだが、このクラスのビジネス機の中ではキャビン幅が最大の「ワイドボディ」機で、快適な飛行が可能。
胴体はグローバル・エクスプレスよりも1.5mほど短い。けれどもぎゃれーや手洗いをやや小さくしたために、客室の大きさはグローバル・エクスプレスとほとんど変わらず、0.25mほど短いだけである。ここに標準8席から最大19席までの客席を置くことができる。乗員は3人。
エンジンはロールスロイスBR710A2-20(6,690kg)が2基。燃料は後方タンクをなくして翼内タンクだけにしたため、搭載量がやや減った。けれども乗客8人をのせて、マッハ0.85の巡航速度で8,890kmを飛ぶことができる。すなわち大西洋の高速横断が可能なビジネス機が狙いである。最大速度はマッハ0.88、935q/h。飛行高度は15,000m。また必要滑走路長は1,500mである。
アビオニクスはハニウェル・プリマス2000XP。
初飛行は2003年春。型式証明は2004年春で、同年秋から実用化の予定。
計画発表から1か月間の受注数は7機。TAGエアロノーティックス社から5機と、エグゼクジェット・アビエーション社から2機である。TAGは中東地域とアラブ諸国におけるボンバーディア機の販売代理店で、これまでの15年間に約70機のボンバーディア機を中東諸国に販売している。
なおボンバーディア社は、このクラスの大型ビジネスジェットについて、2010年までに750機の需要があると見ており、そのうち3割のシェアを獲得したいともくろんでいる。機体価格はグリーン状態で3,295万ドル。
予備的な主要データは下表の通り。
項 目 数 値 航続距離
マッハ0.85で8,890km
航続距離
マッハ0.88で6,850km
釣合い滑走路長(最大離陸重量、標準気象状態)
1,524m
着陸距離(最大着陸重量)
822m
初期巡航高度までの到達時間(最大離陸重量)
25分
初期巡航高度
13,100m
実用上昇限度
15,500m
キャビン長
13.20m
キャビン幅
2.49m
キャビン高
1.90m
型式証明基準
FAR、JAR25
(西川渉、2001.12.26)
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