<川崎OH-1>

多用途機へ再開発

 陸上自衛隊は現用OH-1観測ヘリコプターを多用途機として再開発する案を検討中。これは英「フライト・インターナショナル」誌2007年3月13日号が伝えるもので、今のタンデム複座の機体を大きくして、ベル412やアグスタAW139に匹敵する機能を持たせる。

 そのため三菱TS1-10ターボシャフト・エンジンは、出力885shpを1,300shpへ引上げる。またローターハブやトランスミッションも改良され、ローターブレードの防錆処理が強化され、操縦系統が改善される。こうした多用途ヘリコプターを陸上自衛隊は120機必要としている。

 なおOH-1は、軍用機だけに大っぴらに宣伝されていないが、日本の優秀な技術から生まれた数多くのすぐれた特性をもっている。これを、自衛隊だけに限定しておくのは勿体ない。主ローターハブを初めとするローター系統やトランスミッションなどの機構を活用して民間向けの機体としても応用できるはずで、そうなれば生産数が伸び、輸出も可能となろう。防衛庁や通産省は、武器輸出は不可などといわずに、もっと視野の広い方策または政策を考えるべきではないか。

(西川 渉、2007.3.19)

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