<新開発計画>

ヘビー・トランスポート・ヘリコプター

 ユーロコプター社がかねて提案していたヘビー・トランスポート・ヘリコプター(HTH)が具体化する気配である。今週の英「フライト・インターナショナル」誌によれば、このほど独仏両国の国防省が資料請求をしてきたらしい。

 HTHは最大離陸重量36トンで、エンジンは3発。主ローターは7枚ブレード。操縦系統はフライ・バイ・ワイヤもしくはフライ・バイ・ライトになり、胴体は複合材製。キャビンは長さ9.1m、幅3.1m、高さ2.75mでペイロード13トン。武装兵員66人または装甲車や戦車などを搭載して、300km/hの高速飛行ができる。航続距離は1,200kmだが、燃料の空中補給も可能。

 HTH構想は2004年のベルリン航空ショーで明らかにされたものだが、この2年間に内容が良くなった。基本的にはドイツの現用CH-53の後継代替機をめざすもので、ほかに欧州諸国はもとより、米国のヘビーリフト・ヘリコプター(HLH)もねらっている。そのため米シコルスキー社との共同開発も視野にある。

 最終的な開発決定は2010年までに出して、2020年から実用配備をしたいという。その後30年間または15,000飛行時間の耐用が可能。

(西川 渉、2006.3.24)

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