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２月11日：エンブラエルＥＲＪ-170／-190の開発を発表 |
２月11日：エンブラエルＥＲＪ-170／-190の開発を発表 エンブラエル社は２月11日ワシントンでＥＲＪ-170とＥＲＪ-190の開発計画を発表した。各機の価格は2,100万ドルと2,400万ドル。引渡し開始はＥＲＪ-170が2002年、ＥＲＪ-1９０が2004年の予定。開発資金は両機合わせておよそ７億5,000万ドル（約800億円）になるもよう。
その後、エンブラエル社は６月のパリ航空ショーでスイスのクロスエアからＥＲＪ-170（70席）とＥＲＪ-190-200（108席）について、各30機ずつの確定注文を受け、さらに両機合わせて100機の仮注文を受けたと発表した。
これでリージョナル・ジェットの主要メーカー３社の競合関係はつぎのようになる。
クラス エンブラエル ボンバーディア フェアチャイルド 30席 ＥＲＪ-135
――
328JET
40席 ＥＲＪ-140
――
428JET
50席 ＥＲＪ-145
ＣＲＪ100／200
528JET
70席 ＥＲＪ-170
ＣＲＪ700
728JET
90席 ＥＲＪ-190
ＣＲＪ-Ｘ
928JET
なお、エンブラエル社は70〜90席クラスのリージョナル・ジェットについて、向こう10年間におよそ2,500機、120億ドル（約1.3兆円）相当の需要があると見ている。
４月29日：728JETに大量注文 フェアチャイルド・ドルニエ社が計画中の728JET（70席）は４月29日、ルフトハンザ航空から確定60機、仮60機の注文を受けた。子会社のルフトハンザ・シティラインが運航するもので、2002年までに型式証明を取る予定。これで同機の受注数は仏プロテウス航空からの15機を合わせて確定75機となった。
５月27日：ＣＲＪ700初飛行 この前日、私はモントリオールのドーヴァル空港で、ＣＲＪ700が赤ランプをチカチカさせて試運転をしているところを見ていた。ボンバーディア社を訪れたのが偶然にも初飛行の予定の日だったからで、早速機体の見えるところへ連れていってもらい、今か今かと待っていたのだが、なかなか飛ばない。
初飛行は、時間制限のない相撲の仕切りのようなもので、生まれたばかりの機体の調子、天候や風向や風速、周辺空域の空き具合、テスト・パイロットの呼吸など、何もかもがうまく合わなければ立てない、というか飛べない。空港の金網の外から見ていてじれったくなって、そんな気がした。
実際に飛んだのは翌27日だったから、途中であきらめざるを得なかったが、航空機の初飛行というものに一度立ち会って、それを設計し製作した人びとの感激のお裾分けにあずかりたいと思う。
６月なかば：ＥＲＪ-135に型式証明交付 ＥＲＪ-135はパリ航空ショーでブラジル政府の型式証明を交付された。同機はＥＲＪ-145の短縮型で、ＥＲＪ-145との共通性が96％に達する。飛行試験は原型２機で400時間であった。最大離陸重量20,000ｋｇ。ＡＥ3007Ａエンジン２基をそなえ、最大マッハ0.78。航続距離3,000ｋｍ近い。
つづいて７月16日にはＦＡＡの型式証明を取得、７月23日にアメリカン・イーグルへ量産１号機が引渡された。この時点での需要数は確定139機、仮180機。
６月下旬：ＩＡＩ、428JETの開発に参加 フェアチャイルド・ドルニエ社とＩＡＩイスラエル・エアクラフト・インダストリー社とは428JET（44席）の開発について協力することになった。ＩＡＩがシステム・エンジニアリング、飛行試験、および型式証明の支援をしたり、新しい機材の設計と組立をおこなうもので、契約金額は６億ドル。
７月：フェアチャイルド・ドルニエ328JET型式証明取得 フェアチャイルド328JET（32席）が７月、型式証明を取得した。同機は1997年２月に計画が発表され、98年１月に初飛行し、型式証明取得までに1,100時間の試験飛行をした。ＰＷ306エンジン２基を装備する。８月に米スカイウェイ航空へ引渡した。
９月30日：ＥＲＪ-140の開発着手を発表 ブラジル・エンブラエル社は欧州リージョナル航空協会の総会で、ＥＲＪ-140の開発着手を明らかにした。ＥＲＪ-145（50席）とＥＲＪ-135（37席）との中間にくる44席機で、胴体はＥＲＪ-135よりも6.5フィート長い。
エンジンはＥＲＪ-135長距離型と同じＡＥ3007Ａ１/３ターボファンが２基。基本価格は1,520万ドル。2000年６月にも初飛行し、競争相手のドルニエ428JETよりも１年半ほど早く、2001年３月に就航の予定。
このクラスのリージョナル・ジェットに対しては750機の需要が見込まれる。うち８割が米国市場で、アメリカン・イーグルやコンチネンタル・エクスプレスなどと契約交渉が進んでいる。
最大離陸重量
20,100ｋｇ
燃料搭載量
4,170ｋｇ
最大ペイロード
5,090ｋｇ
釣り合い滑走路長
1,800ｍ
着陸滑走路長
1,300ｍ
最大巡航速度
833��/h
航続距離
2,030ｋｍ
実用上昇限度
11,270ｍ
９月30日：フェアチャイルド・リージョナル機の受注数は419機 フェアチャイルド・エアロスペース社は９月末までのリージョナル・ジェットの受注数が、ビジネス向け派生型も含めて419機になったと発表した。金額にして確定分が30億ドル（約3,200億円）、仮注文を合わせると80億ドル相当になる。
内訳は728JETが120機、そのビジネス型エンボイ７が28機、328JETが175機、428JETが95機、そのビジネス向けエンボイ３が１機。
11月３日：中国初のリージョナル・ジェット 中国の海南航空は11月３日、かねて発注していたフェアチャイルド328JETを受領した。中国でリージョナル・ジェットが就航するのは初めてで、同航空は328JET（32席）を確定19機、仮20機発注している。仮注文も含めた発注総額は４億6,400万ドル。
海南航空は現在、ボーイング737を17機、メトロライナーを９機、その他を運航している。
（西川渉、99.12.29）
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