<野次馬之介>

最後の女性

 

 日本の人口が減り続けている。2050年には今の1億2,700万人が約9,500万人になるといわれる。同時に高齢化が進むため、経済的、技術的に競争力を失い、世界の先進国から脱落することにもなりかねない。

 こうした問題について、今週の英エコノミスト誌が「歴史の終わりと最後の女性」という面白い推計を書いている。それによると、人口が減ってゆくのは日本だけではなく、多くの国が先進国も途上国も同じような衰退の道をたどり始めているらしい。

 というのは、どこの国も科学技術の進歩によって経済的に豊かになってくると、なぜか女性たちは結婚よりも独身の方が好いといって、子供を産まなくなるからというのだ。

 これは83ヵ国を対象とした国連の調査結果だが、それによると例えば香港では1,000人の女性から生まれる女の子は今547人しかいない。とすれば、その547人から生まれる女の子は299人しかいない。その299人から生まれる女の子は142人で、その142人から生まれる女の子は……と続いていって、出産率が変わらなければ最終的に香港の女性人口は今の375万人が25世代の後――すなわち、出産年齢の平均が31.4歳として西暦2798年に1人になってしまう。馬之介の計算では2796年になるが、エコノミスト誌は2798年と書いている。大もとの数字にもっと端数があるのだろう。いずれにせよ、今後800年足らずで香港人はいなくなってしまうのだ。

 同じように日本も西暦3500年以前に女性は1人になる。ドイツ、ロシア、イタリア、スペインも同じ頃、女性が1人しかいなくなる。中国などは日本の10倍以上の人口がありながら、一人っ子政策のために日本よりも早く女性がいなくなる。とすれば、これらの国は、あと1,500年くらいで滅亡に瀕するであろう。

 かくて、下図に見るように、最長ブラジルですら今から3,000年以内に誰もいなくなる。


[資料]英エコノミスト誌オンライン、2010年8月22日

 このような世界的な少子化傾向に対し、子ども手当だろうと児童手当だろうと、そんなものは税金の無駄使いになるだけで何の役にも立たない。地球温暖化なども、これから人口が減ってゆくとすれば、もはや心配する必要はなくなったといってよいであろう。人類は生物として、いささか進化しすぎたのではあるまいか。

(野次馬之介、2011.8.24)

 


最初の女性

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