パリの救急機関SAMU94

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 フランスの救急体制は、ヘリコプターが特別の手段というわけではない。救急車もドクターカーもオートバイも、そしてヘリコプターも同列に扱われる。これらは全て同じ場所に待機する。そのため車もスロープを上がって、2階レベルのヘリポートの横へ駐車している。これらの車やヘリコプターの中から、医師は救急事態の内容に合わせ、現場の状況や距離に応じて、最も速く最も適した移動手段を選んで患者のもとへ駆けつける。


(救急車)


(救急車の前の文字は前方を走る車のバックミラーで見やすいように鏡文字で書かれている。
最近は日本でも同じような工夫が見られるようになった)


(ヘリポートの下にいたSMURの救急車)

 上の写真で、左はドクターカー、右は指令車であろうか。そういえばフランスの場合、救急現場で指揮を執るのは医師である。救急機関SAMUは警察や消防と並ぶ3つ目の緊急対応組織であり、応援に駆けつけた消防隊や警察官も、その指揮下に入って患者の救出や救護に当たる。

(西川 渉、2001.7.12)

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