<JOKE>
自動診断機 ![]()
ある日、ジェームスは友だちに相談した。「ひじが痛いんだけど、病院に行く必要があるだろうか」
友だちが答えた。「必要ないさ。あそこの薬屋の角に自動診断機があるから、病院よりもはるかに安く早く診断してくれるよ。あの機械に尿のサンプルと10ドルを入れると、どんな病気か、どうすれば治るか教えてくれるさ」
ジェームスは紙コップに尿を取って機械に入れ、10ドル紙幣を挿入した。診断機はうなり声を上げて、赤や青のランプを明滅させていたが、やがて静かになると、今度はプリンターをカチャカチャいわせて小さな伝票に文字を打ち出してきた。
そこに曰く。「ひじが痛いのはテニスのやり過ぎです。ときどき温かいお湯に腕をつけて、激しい労働は避けてください。2週間ほどで治るでしょう」
ジェームスは驚いた。こんな便利な機械ができたのか、技術の進歩はすばらしい。これで医療の世界も大きく変わるだろうと思った。しかし、肘の痛みのような簡単な診断はできても、複雑な病気まで診断できるのか。そう考えて、今度は紙コップに犬のフン、女房の尿、娘の血液、そして自分の精液を入れて、10ドル紙幣と共に自動診断機にかけた。
機械は再びうなり声を上げ、前よりも時間を要したが、次のような診断結果を打ち出してきた。
「犬には回虫がいます。虫くだしを呑ませてください。娘さんはコカイン中毒です。リハビリの必要があります。奥さんは妊娠しています。双子ですが、DNAがあなたと一致しません。弁護士に相談してください。そして、あなた自身、自慰をやめないと、ひじの痛みは治りません」
(西川 渉、2009.6.21)
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