<シンガポール航空ショー>

日本の次期戦闘機

 

 

 シンガポール航空ショーで、ロッキード・マーチン社とボーイング社は、日本政府との間で次期戦闘機について協議していることを明らかにした。ロッキードの提案はF-35ライトニングU、ボーイングはF-15とF/A-18スーパーホーネットだそうである。

 両社は同様の提案をインド政府や韓国にも出しており、インドは126機の戦闘機を購入するため入札中。韓国は2002年に40機のボーイングF-15Kを発注したが、さらに20機の調達交渉が進んでいるとか。

 インドの中型多用途戦闘機の調達計画は近年では珍しい大規模なもの。見積り要求は昨年8月に出され、当面126機を調達し、将来さらに64機の追加もあり得るという。これに対して、ボーイングF/A-18、ダッソーラファール、ユーロファイター・タイフーン、ロッキードF-16、ミグMIG-35、サーブ・グリペンが候補に挙がっており、各メーカーは今年3月3日までに技術と価格に関する詳細提案を出さなければならない。

 その締切りをひかえて、フランスのサルコジ大統領は先月インドを訪問、アメリカの国防長官も来週インドにやってくる。

 ロッキード・マーチンF-35は短距離離陸と垂直着陸(STOVL)の可能なステルス戦闘攻撃機。開発試験は、すでに8割を終了し、米海兵隊は2012年、英空軍は2017年に実用化の予定。


F-35

 ところで、日本の自衛隊を強化して国の護りを固めるのは結構だが、先日のイージス艦と漁船の衝突に見るように、艦の見張り番から石馬大臣に至るまで、防衛症というところは、どうしてこうも手ぬかりの多い盆暗ばかりそろったものか。ゴルフと宴会に明け暮れたヤモリ前次官の後遺症かもしれぬが、これでは如何に立派な軍艦や戦闘機を買い入れても、宝の持ち腐れになってしまう。

 当面は最新鋭の戦闘機など導入する資格はないはずで、そうした後遺症から脱するには石馬も辞めるべきだ。自分の責任の下で起った間違いを自分で正すなどはおごりも甚だしい。その手に余ったからこそ間違いが起ったので、後は責任を取って身を引き、誰か別の人物に託すほかはない。

 次期戦闘機の調達に当たっても、どうせ、巨額の出費をめぐって再び三度び悪事を働くヤカラが出てくるのだろう。といっても、問題は外部からの誘惑ではなく、内部に物欲しげな連中が多いことである。いわゆる「獅子身中の虫」だが、現に今回の航空ショーでも早速、最新情報を集めるためと称してシンガポールまで、むろん官費で物見遊山に出かけた虫がいると聞いた。

 いま防衛症は、外部環境が悪いのではなく、自分自身が病気にかかっていることを自覚すべきだ。天才ブラックジャックを除いては、病人が自分で自分を手術できるはずがない。

(小言航兵衛、2008.2.23)

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