<ボーイング>

787パワーオン

 ボーイング787の電源が入ったもよう。6月中には電気系統に関するテストをすべて終わる計画。そして11月には初飛行を予定している。当初の予定は2007年8月であった。

 試験飛行に使う原型機は6機。うち2機が完成しており、3号機も5月から最終組立てに入った。ほかに2機の地上試験機も合わせて、全部で8機が型式証明の取得試験に使われる。

 なお6機の試験飛行機のうち4機はロールスロイス・トレント1000エンジン、2機はGEnxエンジンを搭載する。


787に外部電源をつなぐ
これで電気系統を起ち上げ、配線の誤りや異常の有無などを
約1週間にわたってテストしてゆく(写真:Boeing)

 これらの試験が順調にゆけば、全日空向けの量産1号機は当初計画より15ヵ月遅れで、2009年夏に引渡される。ただし787を発注しているエアラインの殆どは2年ないし2年半の遅れで同機を受領することになる。たとえば787を最も多く、74機を発注している国際リース・ファイナンス社(ILFC)は、各機を受け取る時期の平均の遅れが27ヵ月という。

 これは月産数が初めから計画通りにはゆかないためで、当初計画の3日に1機、月産10機の量産態勢になるのは、今のところ2012年で、予定より2年遅れになるため。

 しかしボーイング787は、引渡し日程が遅れたとはいえ、燃料高騰の折から、まだ初飛行もしないうちに1,000機近い注文を獲得した。ボーイング社によれば、787はエンジン技術の進歩と機体の軽量化によって、従来機にくらべて2割以上の燃料節約を実現できるという。

(西川 渉、2008.6.16)

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