スウェーデンのヘリコプター運賃

 

 

 スウェーデン南端の2つの町から海峡を越えてコペンハーゲン国際空港へ飛ぶヘリコプター路線については、本頁にも去る6月に掲載したところである。しかし、あのときはどうしても運賃が分からず、インターネットで調べて行くといつの間にか解読不明のスウェーデン語の世界に迷いこんでしまって、結局「不詳」の文字を入れざるを得なかった。

 このヘリコプター路線は、バンクーバー〜ビクトリア〜シアトル間のヘリジェット航空や香港〜マカオ間の亜東航空と同様、シコルスキーS-76双発ヘリコプター(乗客12席)を使っている。そこでシコルスキー社に運賃を調べていただくよう依頼しておいたところ、このほど回答を得たので、ここにメモを記しておきたい。

 スウェーデンからの国際ヘリコプター路線を運航しているのは、ヘリコプター・サービス社である。使用機は新しいS-76C+が3機。マルモとヘルシンボルグという2つの町からコペンハーゲンへ毎日合わせて60便を運航中。

 乗客の対象は、大半がコペンハーゲン国際空港で遠距離便に乗り換えるビジネス客。コペンハーゲンまでの飛行時間はマルモから片道5分、ヘルシンボルグから20分で、運賃は時間に関わりなく190ドルという。

 なおマルモ〜ヘルシンボルグ間は25分だが、この3角路線の2区間を飛ぶと運賃は378ドルになるらしい。これは即ち、往復運賃ということかもしれない。

 いずれにしても相当にいい値段で、1km当たりの単価にすれば、ヘリジェットの4倍、亜東航空の1.3倍くらいであろうか。区間だけを考えるならばヘリジェットの2倍で、亜東航空とほぼ同じということになるかもしれない。

 なお昨年の乗客数は約7万人だったという。1人あたりの運賃収入が2万円とすれば、年間の総収入は14億円くらいであろうか。これで3機のS-76を1日12時間半ずつ、のべつ運航するわけだから、やはり相当にきつい商売ではある。

 はるか北欧の空に声援を送りたい。

(西川渉、97.10.11)


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