足裏蛮と藪と戦争マニア

 

 

 

 先日、足裏蛮の幹部か誰かが「ブッシュこそ最悪のテロリスト」と語ったニュースが伝えられた。まったく同感である。藪大統領のことだから知恵も度胸もないのは分かるが、暴力に対するに暴力をもって報復するなんぞは、ただの喧嘩にすぎない。

 喧嘩ならば両成敗ということだが、せめて仲裁役はいないのか。日本も「俺につくか、向こうにつくか」なぞというせりふに惑わされず、仲裁役を買って出るべきであった。濃墨首相も、国会答弁であれだけはぐらかすのが上手いところを見ると、仲裁役だってできたのではないだろうか。

 それを藪のケツにくっついてうろうろしていると、本当に大怪我をする恐れがあるし、「これがホントのブッシュマン」と円楽さんが言っておりました。

 むろん日本も、もっとしっかりした防衛体制を構築する必要がある。半世紀前の憲法に手足を縛られているテイタラクでは、日本海や北方領土の近海で不法に侵入してきて魚を盗っているコソ泥のような漁船すら追っ払うこともできない。

 日本の上空を飛び越えてミサイルをぶっ放すような国へは、こちらからも一発撃ち返すなり、せめて堂々と抗議をするなり、それくらいの軍備と実力は持って欲しいと思う。言い換えれば、それだけの実力があれば、奴らも隣家の上空で物騒な実験などはしないであろう。わが国が小馬鹿にされていることを忘れてはならない。

 しかし今のところ、戦争ごっこなんぞで遊んでいる暇はない。国内の行政改革や経済改革を優先すべきで、自称「聖戦」対自称「正義」などという思いこみのひどい喧嘩などは、こちらの立場も傍観者ではまずかろうから、せめて仲裁役か調停役にとどめておくべきである。

 国会の論議などを聞いていても、「後方はどっちだ?」などという抹消論ばかりだが、まずは藪の考え方を根本問題とすべきである。民主党も特別法案に賛成なら賛成で男らしくやってもらいたい。「賛成だけど武器を運ぶのはやめてください」とか、鉄砲は撃たないようになどという及び腰では、丸腰で戦場に出される自衛隊員こそ気の毒だし、危険でもある。もし自衛隊員に弾が当たれば、それは民主党のせいだと言っておこう。

 これで2大政党をめざすとか、野党第1党などとは噴飯ものだし、次の選挙では、豆鉄砲を食らった鳩や熱伝導のよい缶がやっている限り、もっと議席が減るにちがいない。その点「やつこそテロリスト」と言った足蛮の方がよほど真っ当で、せめて日本の足蛮をめざす共産党には、そのくらいのことを言って貰いたかった。

 しかし共産党ですらそう言えないのは、前にも本頁に書いたとおり、アメリカの大統領というのは今の日本にとって戦時中の天皇にも匹敵するからであろう。少しでも批判めいたことを言えば、おそらく蜂の巣をつついたようになり、別にアメリカ側は何とも思っちゃいないのに、催眠術にかかった日本側だけで「不敬罪」に問われかねないからである。

 喧嘩の仲裁ということでは、本当ならば濃墨内閣、外相が女性であることも天の配剤というべき布陣であった。たおやかな大和撫子が出ていって、いきり立った野郎どもの中に割って入れば、少しは血の気も静まるのではないかと思うが、如何せん今の配材ではでは望むべくもない。おとといも国会の委員会で立ち往生し、審議が5分ほど中断したり、天も早く廃材にすることを望んでいるのではないだろうか。

 最近は、しかし、アメリカ人ですらテロに対するテロは良くないと考える人が出てきた。そういう人の声がもっと大きくなって、テロの真犯人とされる王様の逮捕や処罰は別の形で考えるべきである。これが国内のことであれば、悪事を働いた犯人が隠れているからといって、その近所に警察が出ていって無闇に拳銃をぶっ放したりするだろうか。

 世界の警察を自認するアメリカは、それと同じことをやっているのである。そもそもアメリカに世界の警察権はないし、誰が頼んだわけでもない。ただ腕力があるだけのことで、考えてみれば今の世界秩序は、ガキ大将を中心とする子どもの遊び場やボス猿を大将とするサル山と変わりがないのである。

 たしかに世界中がここまで近くなり狭くなって、しかも秩序が保てないとすれば、警察が必要かもしれない。その役割を持つのはいうまでもなく国連であろう。その中で警察官としては、日本が最適ではないだろうか。ここは一番みずから名乗り出て、戦争や喧嘩ではなく、警察業務としてテロの犯人を逮捕し処罰することを考えてはどうか。日本の警察にとってもいくらか名誉挽回になるかもしれない。

 無論そのためには、ある程度の武力も持っていなければなるまいが、「戦争だ、報復だ」というのとはだいぶ違うはずだし、国際貢献にもなるであろう。

 今のところは、しかし、マスコミも一緒になって戦争をあおり立て、朝日新聞までが「隠密の地上作戦へ着々」「米陸軍アフガン周辺に集結」「国境はさみ高まる緊張」などと勇ましい大見出しをつけている。昭和十年代の扇動ぶりもそうだったが、もともとあの新聞社は戦争が好きなのである。

 NHKやテレビ朝日などに出てくる似非軍事評論家も、本当は戦争マニアや武器オタクに過ぎないのだが、あたかもペンタゴンと通じているかのような憶測や出鱈目を言いつのる。あれは意味のない時間つぶしで、1日も早く連中の顔を見ないですむようになることをアラーの神に祈っておこう。

(小言航兵衛、2001.10.15)


愛鳥家山野さんもしりごみするような恐ろしい絵
まさしく足裏蛮がいうようなアメリカ・テロリズムの象徴である。

  

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