<速報LUH>

米陸軍、UH-145を選定

 アメリカ政府は6月29日、かねて検討してきた見積り競争の結果、米陸軍の新しい多用途ヘリコプター(LUH)として、ユーロコプターUH-145を選定した。調達数は352機、契約金額は13億ドル(約1,500億円)。将来の部品補給や技術支援などを含むライフ・サイクル金額は、今後20年間で2倍以上の30億ドル(約3,400億円)に上る。

 ユーロコプター機は、これまでも米沿岸警備隊、本土安全保障省、およびFBIに採用されてきたが、軍用機としては初めて。また、UH-145は民間型EC145(もしくはBK117C-2)を基本とするものだが、これだけの機数を一挙に受注するのも初めてである。

 UH-145の今後の具体的な製造作業は、基本的な工程をドイツで終わったのち、米ミシシッピ州コロンバスのアメリカン・ユーロコプター社で部分的な仕上げ組立てや内装をおこなう。そして徐々にコロンバスへ重点を移し、いずれは最終組み立ての完全作業もアメリカで行なう予定。

 補給支援はシコルスキー社が担当する。システムの統合と技術支援はウェストウィンド・テクノロジー社がおこなう。ほかにも多数のアメリカ企業が参画する。

 LUHの受注に伴い、アメリカン・ユーロコプター社は直ちにコロンバスの工場を3倍に拡大する予定。また従業員も今の110人が360人以上になる。初号機は今年11月にも米陸軍へ納入される。

(西川 渉、2006.7.4)

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