<野次馬之介>
期待はずれの新iPad 新しいiPadが売り出されるというので、馬之助としては内心おだやかではなかった。というのは昨年秋、人なみにiPadを買って半年ほど経った今ようやく慣れてきたところだからで、わが愛用の品が半年も経つか経たぬうちに早くも時代遅れの旧式になるのかと、いささか残念に思ったからである。
ところが報道では、残念に思ったのは、どんなに素晴らしいiPadが発表されるかと期待していたファンの方で、新聞は期待はずれだったと書いている。つまり、新しいiPadは単なる改良型らしい。それを、ジョブスそっくりの恰好をしたおじさんが、同じような舞台装置の上で大げさに発表してみせたのだから、アップル・ファンにとっては全く情けない気持ちに落ちこんだに違いない。
画面の解像度が良くなって文字がくっきり見えるとか、写真の画素数が増えたとか、音声認識ができるとか、そんなことは大した革新ではない。解像度も画素数も眼がかすんできた馬之介には無用のことだし、写真などは、わざわざこんな大きなもので撮らなくとも、カメラを使えばいいのである。
おそらくスティーブ・ジョブズが生きていたら、この程度の変更で新製品としての発表はさせなかったのではないだろうか。アップルとしてはみっともない話で、案の定というか、ジョブスがいなくなって早くも安易な方向へ堕落の道を歩み始めたのだ。
ところで、ここから5〜6行は3月24日に加筆したものだが、新iPadは使っているうちに過熱するという報道が聞こえてきた。通常よりも10℃ほど上がるらしい。それをからかったのかどうか、YouTubeにはiPadの上で目玉焼きをつくる映像まで登場した。とにかく、温度差が大きかろうと小さかろうと、発熱すべきでないときに熱が出るというのは、人間でも器械でも異常というべきだろう。
やっぱりというか案の定というか、アップルの新経営陣が功を急ぐ余り、不完全な商品を売り出したのではないのか。ここまで名声を高めたアップルだが、ジョブズがいなくなったためにタガが外れ、もう一度いうが、早くも堕落の道をたどり始めたのかもしれない。馬之介もそのことを恐れるばかりである。
そんなことを考えているところへ、山野豊さんから次のようなジョークが転送されてきた。
3月20日、17歳になった息子の誕生祝にiPhoneを買ってやった。
iPhone7月15日。私の誕生日を祝って、家内がiPadを贈ってくれた。
iPad8月12日、娘の誕生日にiPod Touchを買った。
iPod touch9月28日、家内の誕生日に私からiRonを贈った。
iRon家内はiRonの素晴らしさ理解せず、私はぶちのめされた。
iHurt(野次馬之介、2012.3.13)
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