<ツェッペリンNT>
飛行船で飛ぶ 昨日(8月14日)、日本飛行船会社のご好意で、ツェッペリンNT飛行船に乗る機会を与えられた。桶川のホンダ・エアポートを午後4時に離陸、真っ直ぐ南下して江ノ島に至り、そこからやや東へ回って横浜港の上空を経て戻ってくる3時間のコース。飛行中の高度は常時1,000フィート、速度は40ノットだった。
飛行船は昔、30年余り前の1975年、まだ新しかったワシントン・ダレス空港で開催された航空ショーで、グッドイヤーのブリンプに乗って30分ほど飛んだことがある。その後、前の勤務先で2度にわたってドイツやイギリスからチャーターして運航したこともあるが、地上から見るだけで乗ったことはなかった。したがって、これは2度目の経験ということになる。
ただし前回は軟式飛行船で、今回は硬式飛行船である。大きくて、しかも新しい技術を採り入れているから、離着陸に際しても昔のように20人くらいの地上員(グラウンド・クルー)が総出で、ロープをひっぱったり、手放したりする必要がない。4〜5人のクルーだけで世話ができるのは、大きな気嚢の左右と尾部に張り出したプロペラを垂直に立てて真っ直ぐ離昇したり、ホバリングをすることもできるからである。こうして自在に離着陸するさまは、5年ほど前のパリ航空ショーで見たこともある。
プロペラを垂直に立てて離陸し、徐々に前傾させて巡航に入る地上での繋留は巨大なマストに船首を取りつけることになるが、その接合もマストから垂らした索の先と船首から垂らした索の先についている金具を地上ではめこみ、あとはウィンチで巻き上げればマスト頂部のカプラに先首が固定されることになる。その上で、マストがのっているトラックを動かし、自由に地上を移動することもできる。
マストに船首をつながれたツェッペリン飛行船ところで、ホンダ・エアポートを離陸して間もなく、右手に真っ黒な雲の柱が見えた。帰宅して夜のテレビ・ニュースを見ていたら全く同じ場面が映った。所沢上空に発生した集中豪雨だそうである。
このような場面は、これも昔の話になるがインドネシア上空をヘリコプターで飛んでいて、遠くのジャングルの上でときどき見た憶えがある。南方特有のスコールだが、それを日本で見るとは思わなかった。
飛行船の詳細については、いずれご紹介するとして、ここでは取りあえず日本のスコールの珍しい写真をお目にかけよう。
ホンダ・エアポートを離陸直後、右手前方に雲が垂れ下がっていた。
近づくと巨大な黒雲の柱である。中は大雨らしい。
黒雲はさらに裾野を広げている。
同じような場面をテレビはヘリコプターで撮ったらしい。
風防かカメラのレンズに水滴がついていたから、
かなり近くまで寄ったのだろう。

(西川 渉、2006.8.15)
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