<ボーイング>

787来月中に初飛行

 ボーイング787がいよいよ動き始めた。すでに組立て工場から出てペイント・ショップに入っており、まもなくエンジン試運転の準備に入る。初飛行は6月中におこなわれる見込みという。

 ボーイング社は、初飛行の予定について明確な日付を公表しているわけではないが、エバレット工場の南側にあるペイン飛行場から離陸し、3時間ほど飛んでシアトル南部のボーイング・フィールド、正式名キング・カウンティ国際空港に着陸する計画。

 その後8ヵ月半にわたって試験飛行がおこなわれるが、使用する機体は6機。うち4機はロールスロイス・トレント1000エンジン、2機はGEnx-1Bエンジンを装備する。

 このうち原型1号機は基礎的な空力特性、操縦特性の確認に使われる。その中にはフラッター、安定性、操作性、主要装備品の作動、低速時の操作性、失速特性、データ処理システムの点検などが含まれる。1号機につづいて3週間後には2号機も飛び、最終的には総数6機で試験飛行をおこなう。飛行時間は合わせて3,100時間。ほかに地上試運転が3,700時間。

 型式証明に必要な書類も6割ほどがFAAに提出された。残り4割はこれから作成するが、そのうち1割弱が飛行試験の結果となる。

 これにより、型式証明が取得できたら、2010年第1四半期には量産機の引渡しが始まる。787はもともと2007年末頃初飛行し、08年5月には最初の顧客、全日空へ量産1号機が引渡されるはずだった。

 なお、787は最近までの受注数が886機。昨年末の受注数は910機だったが、今年に入って開発遅延と経済不況のために32機のキャンセルがあり、逆にガルフエアが8機を追加発注している。


4月30日、ボーイング社エバレット工場のペイント・ショップで塗装中の787原型1号機

[関連頁]

   ボーイングとエアバス最近の受注と生産(2009.4.24)

(西川 渉、2009.5.2)

表紙へ戻る