<ファーンボロ2008>

アグスタ意欲満々

 

 アグスタウェストランド社はファーンボロ航空ショーで、新しい開発構想や事業計画を次々と明らかにした。

 最も新しい話題は仮称「XX9」双発ヘリコプターの開発。詳細は不明だが、総重量4〜5トンで、今のA109Sグランド(3.5トン)とAW139(7トン)の中間にあたる大きさ。本年中に開発作業をはじめ、2010〜11年にも原型機が初飛行するという。民間機である。

 詳細は来年初め、HAI(国際ヘリコプター協会)の大会で明らかにされるらしい。XX9とはアグスタ機の呼称がA109、A119コアラ、A129マングスタ、AW139、軍用AW149ときたので、それに続くAW159であろうか。ちょっと単純すぎる推測だが、当たらぬも八卦。

 そのAW149軍用ヘリコプターの開発について、アグスタ社は来年初めまでに契約できるのではないかと期待している。原型機は2009年にも完成するという。


AW149

 ロシアではAW139の最終組立てをはじめる。オボロンプロム社との合弁によってモスクワ近郊に工場を新設するもので、ファーンボロの会場で契約調印がなされた。2010年初めから操業開始、2011年に組立て1号機を出荷する計画。これが軌道に乗れば年間24機の出荷を考えるという。将来は新しいヘリコプターについてロシアとの共同開発構想もあるとか。

 なおアグスタウェストランド社はAW139の総重量を400kg増の6,800kgとする計画。これで燃料搭載量を増やして航続距離を伸ばし、海底油田の開発支援に使いやすくするのが目的。

 中国でもAW109の最終組立て計画が進んでいる。早ければ2009年から操業を開始、将来の拡大が見こまれる中国市場への売り込みをねらう。


AW139

【関連頁】

 アグスタウェストランドAW149(2006.7.3)

(西川 渉、2008.7.27)

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