<中国事情>

北京と上海

 この1週間、北京と上海に出かけておりました。北京は2008年のオリンピック(中国語で奥林匹克運動会)、上海は2010年の万国博覧会(世博会)に向かって、もっか活発に準備を進めています。

 私にとって、この旅は20年ぶりの中国でした。昔とちがって、どちらの都市も高層ビルが立ち並び、黒や茶色の人民服を着た自転車の群れは見られず、タクシーとバスと乗用車がクラクションを鳴らしながら我がもの顔に走っています。そのうえルール無視が多く、車線を変えながらの蛇行運転などは良い方で、赤信号でも歩行者を無視して突っ込んでくるので、一度は道を横断しようとして危うく轢かれそうになりました。逆に歩行者の方も車を無視してどんどん横断するので、危なくて仕方がない。

 これで中国では毎年10万人以上の交通事故の死者が出ており、車の増加につれて増えています。ちなみにアメリカでは、この10年間42,000人前後の死者が横ばいです。日本では、わずかに減りつつあり、今9千人以下です。むろん人口や自動車数が異なるので、一概に比較はできませんが。

 このあたりの分析は後日、本頁に掲載したいと考えています。


黄金のライトアップに照り映える北京飯店
昔はここが唯一の国際ホテルで、私も時どき泊まったが、
今回はもっと新しくて豪華な王府井大飯店だった。

 ところで、16日朝10時頃、アメリカにいる次男から電話があり、「航空の現代」がヤフーのニュースの中で引用されていると知らせてきました。早速ヤフーのホームページを見ると、「米軍動向」として「F22戦闘機を初実戦配備」という見出しがあり、「米空軍は15日、最新鋭のステルス戦闘機F22ラプターについて、バージニア州のラングレー基地にある第1戦闘航空団に初めて実戦配備を完了したと発表した」という共同通信のニュース。その参考ホームページとして「航空の現代」から「戦闘機の現状」がリンクされていました。

 おかげさまで、16日午前9時から午後11時までの14時間に本頁のヒット数が一挙に2万件近く増加しました。「航空の現代」は最近1日およそ2千件のアクセスを受けておりますが、わずか半日で10日分のヒットを記録したことになります。

 アクセス・カウンターの数字が1時間に2,000ずつ増えて行くのを見ると、なんだか恐ろしような気もします。ちなみに本頁の記事は、表紙に記載されているとおり、いささかでも皆さまのお役に立つならば引用も転載もリンクもご自由です。

 中国の見聞は順次、本頁でご報告する予定ですが、取りあえず手もとの写真から何枚かご覧に入れます。


上海市内の高層ビルは日本全国の高層ビルを合わせた数より多いという。
そのうえ現在、日本の森ビルが世界最高をめざす高層ビルを建築中とか。
もっとも、そんなことを自慢しているうちはまだ幼い、などと云えば、
高層建築の強度に自信をなくした日本人のひがみと取られるかもしれない。
あの悪質な建築強度詐欺事件は、今週の英「エコノミスト」誌が
「激震に見舞われた日本の建築業界」として報じているほか、
この旅行中も中国人の方から先にその話題が持ち出されるほどで、
まこと、日本の建築業界というのは世界の恥さらしである。
地震の多い日本ですら、これだけの高層ビルが建てられる
というのが、われわれの誇りではなかったのか。


上海市郊外から浦東国際空港まで走るリニアモーターカー。
中国語では「磁浮列車」という。
発車のベルが鳴っているのに、ホームで写真ばかり撮っているので、
駅の女服務員が何か云いながら近づいてきた。
「早く乗れ」と云っているのだろう。


磁浮列車の高速ぶりを示す車内表示。
11時30分発の列車が3分50秒後には431km/hに達した。
この瞬間は轟音と振動と揺れがあって、余り好い乗り心地ではない。
対向列車とのすれ違いは一瞬、ザッという風のような音と共に
黒い魔物のような陰が窓をかすめて車体が揺れるだけ。
しかし速度が300km/hくらいに下がるとスムーズな走りとなる。

速度の表示はピッタリ7分後に0km/hとなって、空港に到着した。
つまり上海から区間距離30kmの空港まで7分。
正確で速い。15分毎に発車する。
運賃は片道50元だが、航空券を見せると40元(約670円)に下がる。

(西川 渉、2005.12.17)

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