<小言航兵衛>

一方的論理に殺られるな

 

 自衛隊のイラク派遣についてどう思うかと聞かれたので、次のように答えた。

 イラク戦争はブッシュ軍の一方的な侵攻によって始まった。そして一方的な宣言によって終わったとされたが、相手のある戦争がこのような「一方的」な侵攻や宣言によって始まったり、終わったりできるはずがない。当然のこと、戦争はゲリラ戦に形を変えて、まだ続いているのである。

 そこへ自衛隊という名の軍隊を派遣するというのだから、相手はこれまた当然のこと、戦うために乗り込んできたと思うだろう。これを迎え撃つのは当然のことである。したがって自衛隊は、もしも出かけるとすれば、戦地へ赴くつもりで、戦争の準備をして出かけるべきである。

 戦争ではなくて復興支援のためというのであれば、ゲリラ線が終わるのを待ち、戦火が収まってからゆくべきだ。無手勝流で行っても、一方的に殺害されるばかりで、このままでは外交官2人のの外務省葬につづいて、自衛隊葬を繰り返すことになるだろう。

 アメリカの一方的な外交戦略に押しまくられた日本が、今度はアラブ・ゲリラのために一方的に殺害される結果になる。

 全ては、戦争が終わったとするブッシュの一方的な論理を、日本が鵜呑みにしたところから狂いが生じたのだ。遠い中東までわざわざ戦争をしにゆく必要はない。

(小言航兵衛、2003.12.7)

小言篇へ) (表紙へ戻る