NBAAショー(6)
BA609とAB139 去る12月なかば、NBAAショーでベル/アグスタ・エアロスペース社が発表したニュースをまとめてメモしておきたい。
目下開発中の民間型ティルトローター機BA609は、初飛行が2002年なかばになるもよう。本来は、このショーと時を同じくして飛ぶはずだったが、電子機器のプログラミングが遅れているとか。
試験飛行のための原型機は4機が製作されるが、すでに2機が完成している。型式証明は2003年末には取得できるもよう。
ベル/アグスタ社は、この時点での受注数を18か国の42社から85機と発表した。量産機の製造はベル社アマリロ工場のほか、イタリア・アグスタ社でもおこなわれる。イタリアの生産ラインから製品が出てくるのは2006〜2007年の予定。また胴体は日本の冨士重工業が製造することになっている。
ベル/アグスタ社が開発中のAB139ヘリコプターは目下3機が試験飛行中。原型1号機は2001年2月3日、2号機は6月4日、3号機は10月22日に初飛行した。試験飛行は順調にすすんでおり、2002年中に型式証明取得の予定。この開発には日本の川崎重工業も参加している。
主ローターは5枚ブレードで、プラット・アンド・ホイットニー・カナダ社のPT6C-67Cターボシャフト・エンジン2基を装備する。最近までの受注数は40機。
なおベル/アグスタ社はAB139の軍用型の開発にも力を入れている。軍用機としての同機の特性は下記の通りという。
- 巡航速度:115kt
- 兵員搭載:12〜15名
- 広いキャビン
- 大きな貨物室
- 平らな床面
- 強力な双発エンジン
- 2トン半を超える有効搭載量
- 昼夜間の全天候飛行能力
- ハニウェル・プリマス・エピック・アビオニクス
- パイロット単独での計器飛行
- ローターブレードの氷結防止装置
- ディジタル自動操縦
- 大型平面ディスプレイ4面
- 低振動
- 簡便な整備作業
(西川渉、2002.1.13)
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