<パリ航空ショー>

続三菱リージョナルジェット

 今朝ほど所要があってインターネット検索をしながら、ふと思いついて「MRJ」のキーワードを入れたところ、先日のパリ航空ショーで三菱リージョナル・ジェットの「拝観」を断られた人がもう1人いることが分かった。

 私の場合は、断られながらも、やや強引に拝ませて貰ったが、この人は諦めて戻ってきたらしい。しかし本当は諦めきれなかった思いを、光栄にも拙文を引用しつつ「ウォッシュレットのある飛行機」というブログに書いておられる。ここにご紹介しておきます。

 さらに、旅客機のトイレにウォッシュレットをつけて問題はないのか。重量をできるだけ減らしたい航空機とはいえ、まさか洗浄水を循環使用するわけにはゆかず、こんなものを付けることが果たして合理的かどうか。そんな論議を、これも恥ずかしながら拙文をきっかけとして発展させていただいたブログが見つかった。その「飛行機のトイレ」をご紹介します。

 最後に、これが最も深刻な問題だが、果たしてMRJは実現できるのか。「見込みはかなり悲観的」として、技術的、営業的な問題点とその解決策を提案しながら、開発費に国民の税金を使うような及び腰では「金が無駄になる。三菱ばかりが得をして、国民は損をする」という指摘が「三菱の小型ジェット機MRJ」というブログでなされていた。

 テレビや新聞は三菱の宣伝文をなぞって、これが如何に素晴らしいプロジェクトであるかを喧伝するが、絵に描いた餅ではどうにもならない。パリ航空ショーの現場では「こんな遠いところまで、朝早くからようこそ来てくれました。どうぞ、ご覧下さい」といった姿勢は、広報の美辞麗句とは逆にどこにも見られなかった。

 そうした姿勢はむろん現場の問題ではなく、上層部の熱意の程を反映し、税金を投入する日本政府の考えを映し出したものであろう。そこには何とかして、この飛行機を売りたい、買って貰いたいという背水の気迫は少しもうかがえないのである。

(西川 渉、2007.7.18)

 

 


パリ航空ショーに展示されたMRJのモックアップ

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