航空の現代電脳篇 → ホームページ作法(15-2)

 

ケチと無知ばかりじゃない

 

 日本の新聞サイトは料金を払わなければ過去の記事を見せてくれない。アメリカの新聞などは無料で見せてくれるし、検索もできるのだがという不満を本頁に書いたところ、仙台の『河北新報』の方から『佐賀新聞』をご覧なさいと教えていただいた。

 早速、飛んでいってみると1994年以降の記事が無料で検索できるし、本文を読むこともできる。

 たとえば「ヘリコプター」というキーワードで検索すると800篇ほどの記事が日付の新しいものから順に並ぶ。しかも非常に速くて、ほとんど瞬間的に整列してくれるからまことに気持がいい。

 

 「スカイマーク」というキーワードでは67篇の記事が並ぶ。これを時間の順に見て行くと、最初のうちは「安売り運賃など墓穴を掘るようなもの。そのうちに自滅するだろう」とうそぶいていた大手エアラインが、いざとなると自分も追随せざるを得なくなり、スカイマークのレベルまで運賃を値下げしてしまった。と思ったら、近く再びスカイマークと一緒に値上げをするらしい。

 すっかり主体性をなくして翻弄されている様子がよく分かるが、ここで踏ん張ってスカイマークが値上げをしても、大手の方は安いままでいれば新会社の自滅を誘うことができたかもしれないのだが。競争の嫌いな航空界の体質がよくあらわれていて、利用者の存在はここでも無視されている。

 公正取引委員会は、大手エアラインがスカイマークに対抗して値下げをしたとき調査をしたり、警告を発したりしたらしい。値上げ追随に対しては警告しないのだろうか。

 

 もうひとつ『佐賀新聞』の検索ボックスに「石原慎太郎」と入れてみると、169篇の記事が出てきた。最新の記事では中国の上海テレビがニュース特集で石原氏は「極右の政客」と断じ、「南京虐殺はうそだとか、中国の作り事というような暴言や無知を言う男が都知事に選ばれることに問題がある」と論じた人物の言葉を紹介している。

 つまり石原新知事を選んだ東京都民も無知といわれているわけで、中国に抗議を申し込む必要はないのか。日本に対する中国の高姿勢は、先に来日した江沢民からマスコミへ伝播した。やがては中国国民の間にも浸透して行くだろう。

(西川渉、99.5.1)

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