<ティルトローター>

イーグルアイ初飛行


初飛行時のイーグルアイ無人機(ベル社提供)

 ベル・ヘリコプター社は1月26日、かねて開発してきた無人ティルトローター機、イーグルアイの初飛行に成功した。TR918の呼称を持つ同機は、この日18分間の飛行をした。飛行内容はすべてが予期以上に良好だったという。他のヘリコプター型の無人機にくらべて速度が速く、航続距離が長いという特徴をもつ。

 イーグルアイは米沿岸警備隊から45機の注文を受けて開発されてきたが、このほど予算が削られて、開発日程が遅れることになった。したがって当面の開発費もベル社自身の負担になっている。2007〜08年にはベル社ばかりでなく、外国にも売ってゆく考え。たとえば国境警備その他の軍用任務に適すると見られる。 

 無人ティルトローター機の開発はベル社のみだが、他の無人機には見られない独自の能力を発揮する。せまい艦船を拠点として、甲板上から飛ぶことも可能。垂直に離陸したのち、ローターを前方に倒して通常の固定翼機同様、高速で飛行する。

 他方、有人ティルトローター機V-22は昨年夏までの再評価、再確認テストの結果、9月に量産が認められ、その1号機は去る1月に引渡された。2006年度は海兵隊向けMV-22が9機、空軍向けCV-22が2機生産される。今年3月からは海兵隊で訓練飛行が始まり、2007年末頃から実戦配備の予定。

 海兵隊向けMV-22は360機、海軍向けMV-22は48機、空軍向けCV-22は50機が製造される。空軍機の実用化は2009年。


MV-22

 一方、民間型ティルトローター機BA609の開発は、昨年7月、完全遷移飛行に成功、予定通りの試験飛行をつづけている。最近までの最大速度は高度4,400mcえ516km/hに達した。1月なかばまでの飛行時間は58時間余。2号機は今年秋に飛行する予定。

【関連頁】

 BA609完全遷移飛行(2005.7.25)


飛行機モードで飛ぶBA609

(西川 渉、2006.2.2/加筆2006.2.6)

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