<ボーイング787>
飛行日程定まらず ボーイング社は787の飛行試験に関し、不具合の補修にどれほどの費用がかかるか、どれくらいの日数がかかるか、まだ何も分かっていないのが実情である。したがって初飛行も、いつになるか分からない。
これらの問題がはっきりするのは、おそらく今年秋になるであろう。というのも、品質を考えるならば、いたずらに作業を急ぐわけにはゆかないからである。
作業の内容というのは、主翼取りつけ部の構造上の問題を先ず明確にして、分析する必要があること。次いで、問題点をコンピューター上で再現し、最適の解決策を求めることである。
この場合、特に気をつけるべきは、一部を補強することによって、今度はそれが他の部分に影響を及ぼし、そこにかかる応力を高めるような結果になってはならないということである。だからといって、問題は部分的なことである。まさか主翼全体を再設計するような問題ではない。
こうしたことで、最終的に787が飛べるのは半年先、2010年に入ってからであろう。
そうなると、技術的には部分的かもしれないが、経済的な影響は非常に大きい。最近までに787は約850機の注文を受けているが、これらの製造と販売によって、果たして利益をあげることができるのだろうか。
発注者に対する引渡し遅延の弁償も、機体数が多いだけに莫大な金額となろう。
「いや大丈夫、787は依然、われわれにとって利益を生み出す製品である」とボーイング社は云う。これまでの計画では、787量産機の引渡し開始までに130億ドルの資金を投入する計画だった。それが一連の遅延によって、80〜100億ドル(約1兆円)の資金を追加しなければならなくなった。
総額では230億ドル(2兆円余り)になるかもしれない。
【関連頁】
ボーイング787年内の飛行は無理か(2009.7.23)
ボーイング787走行試験開始(2009.7.20)(西川 渉、2009.7.27)
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