『ヘリコプターのすべて』

 

 

 『別冊航空情報 民間ヘリコプターのすべて(2000年版)』(酣燈社、1,905円)が発売になった。この本の中で、私は正月休みを利用して、次の4篇を書いた。別に頼まれたわけではないが、ここに勝手に広告しておきます。 

・ヘリコプター・メーカー各社の戦略と動向
・ヘリコプターの21世紀
・実用段階に入ったティルトローター
・日本におけるヘリコプター救急への取り組み 

 本来ならば、ここで各項目をクリックすると本文が出てくるようにしたいのだが、発売早々そんなことをすると版元に迷惑がかかるおそれがある。ご関心のある方は本屋さんでお買い求めくださるよう、お願いいたします。もちろん上の4項目以外にも沢山の記事が掲載されています。

 もっとも、これだけではご不満も残るでしょうから、上の最後の記事で使った日本のヘリコプター救急への取り組みに関する年表を、やや改良して掲げておきたい。

 

ヘリコプター救急に関する日本の取り組み

平成元年3月

消防審議会『消防におけるヘリコプターの活用』を答申

平成2年

札幌医科大学で実用試験運航

平成3年8月

東海大学病院で実用試験運航(9月までの2か月間)

平成4年7月

川崎医科大学で救急医療ヘリコプターの試験運航(12月までの半年間)

平成7年1月

阪神淡路大震災発生

平成7年7月

防災基本計画改訂(中央防災会議・国土庁防災局編)

平成8年5月

災害拠点病院ヘリポートの整備に補助金(厚生省)

平成9年7月

ヘリコプター救急システムの推進に関する検討委員会発足(自治省消防庁)

平成10年3月

消防法施行令第44条改正(自治省)

平成11年4月

医療用ヘリコプター研究飛行開始(浜松救急医学研究会)

平成11年8月

ドクターヘリ調査検討委員会発足(内閣官房内閣内政審議室)

平成11年10月

ドクターヘリ試行的事業開始(厚生省)

平成11年11月

高速道路で救急訓練(内閣官房安全保障・危機管理室)

平成12年2月

航空法改正で民間機にも81条の2を適用(運輸省)

平成12年2月

救急ヘリコプター出動基準ガイドライン作成(自治省消防庁)

 この表から、平成年代を振り返って、関係者の間ではさまざまな取り組みがなされてきたことが分かる。けれども、そうした努力が実ったかといえば、現状はまだ芽が出たばかりではないだろうか。間もなく公表されるドクターヘリ検討委員会の結論と報告書が決定打となることを期待したい。

(西川渉、2000.5.26)

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