<MRJ>

三度び三菱リージョナルジェット

 依頼された原稿を書くために三菱リージョナルジェット(MRJ)について調べていたところ、松浦晋也氏が拙文を引用していただいているサイトを見つけました。拙文は今年7月、松浦さんの記事は9月に書かれたもので、いささか旧聞に属するかもしれませんが、読んでみると過分のご紹介をいただいた上に同じような感想をお持ちのようなので、ここに感謝の気持をこめてリンクしておきます。

 下記URLをクリックしてください。

http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2007/09/mrj_78c7.html

 なお、MRJは10月から可能性のあるエアラインに対し正式の提案を始めたようだが、まだ1機の受注も発表されていない。あるいは発注の意向を示したところがあっても、来年3月の最終決断までは公表しないのかもしれない。いずれにせよ、政府や政治家の後押しもあって、日本の航空会社は多少とも発注をする可能性はあろうが、問題は外国エアラインである。国内の受注だけで採算を合わせることはできないだろうから、海外市場でどこまで闘ってゆけるか。

 燃費は競合機にくらべて2割ほど少なく、騒音も10デシベルほど少ないというが、1機当りの価格は30〜40億円でやや高い。初飛行は2011年を予定し、1年半くらいのうちに就航する計画である。

 市場は、すでにボンバルディアとエムブラエルの2社が大きく抑え、そこへロシアと中国のリージョナル機が入ってゆこうとしている。この両国は国内需要だけでも大きいはずで、それだけ有利な立場にある。日本は市場がせまく、しかも需要予測や市場調査で他人の顔色ばかりうかがっている間に、1歩も2歩も出遅れてしまった。そのため不利な条件が重なり、三菱重工の営業力が問われるところとなった。その前途や果たして如何に。

 

 


今年7月のパリ航空ショーに展示されたMRJの模型とモックアップ

 【関連頁】

   <パリ航空ショー>三菱リージョナルジェット(2007.7.2) 

   <パリ航空ショー>続三菱リージョナルジェット(2007.7.18)

(西川 渉、2007.12.12)

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